2119.【3】 ページ19
［あらしside］
和「やーだ…」
智「かーず…一回だけ頑張らない？」
和「やー…」
しょうが てんてきで くすりを いれることに
したみたい。
でも かずは いやがって てを ブンッて
ふってしまう。
しょうが さとしに めで「やっちゃおうか」って
あいずして さとしが「そうだね」って うなずく。
和「…っ、がんば、らな、い…」
翔「これだけ頑張ったらラクになるから…」
しょうが うでを ひいたら かずは なみだが
ポロポロ…
「ウォンッ…クゥーン…」
かーず なかないで…
ぼくが なみだを なめてあげるから…
ペロペロしてたら かずの ひだりうでが ぼくの
うえに。
「ありがと…」って つぶやいて せなかを なんども
なでてくれる。
翔「あらしも応援してくれてるから」
和「や…」
翔「大丈夫」
智「すぐ済んじゃうからね〜」
さとしの ことばを あいずにして つよく ひかれた
かずの みぎうで。
かずは「いやだ」「やらない」って さけんで
しゅちょう するけど…
智「ごめん、かず。がんばれ…」
ふとんごと かずの からだを おさえこんだ さとし。
しょうが しょうどくして はりをさす。
和「…っ、んっ、やー…」
なきさけぶ かずの かおを ぼくは
いっしょうけんめい たくさん ペロペロ。
てんてきは かずにとって こわくて こわくて
たまらないものだけど…
からだを げんきに してくれる みかた。
そのことを おしえてくれたのは かずだから…
「クゥーン…」
もう なかないで…？
ほら、おわっちゃってるよ？
「クゥーン…」
和「…っ、んくっ…、ごめ、…」
じゆうに なった ひだりてで また ぼくのことを
なでてくれる。
「心配掛けてばっかりでごめんな？」って
言いながら…
智「頑張ったね、かず。おしまいね」
和「…っ、ん…、こわか、った…」
翔「恐かったよな。おしまい」
さとしが てを しょうが あたまを なでてくれて
やっと おちついて きたみたい。
それから ねんがんの わしつに いどう。
ふとんを 2まい しいて さとしと しょうも
じゅんばんで かみん とるんだって。
雅「かーずちゃん、仕事行ってくるね」
和「まさ、にぃ…早く、帰ってきて、ね…？」
雅「あひゃ！もちろん！」
かずは めずらしく まさきにも すなおに
あまえてる。
まさきも うれしかったみたいで「飛んで帰って
くるよ」だって。
「ウォンッ！」
すごいね、まさき。
とべるんだね！
雅「じゃーな、あらし」
「ウォンッ！」
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作者名：空
| 作成日時：2016年2月10日 18時
