2102.【2】 ページ2
［智にぃside］
もう…
ほんとに無理し過ぎ。
自分じゃどうにも出来ないところまで
我慢を続けて、こんなに重症化しちゃうなんて…
入院して2日間は、水もご飯も一切受け付けない
状態だった。
受け付けないというより、意識が朦朧とし過ぎて
飲めないし、食べれない。
翔が「意識回復したら説教してやる」なんて
言っていたし、俺も「覚悟してもらわなきゃね」
なんて笑っていた。
だけど、40℃超えだった高熱が下がった2日目の
夜も雅紀はスプーン1杯の水さえも完全拒否。
翔の説得に首を振って、頑なに拒む。
翔「嫌じゃなくて、飲むの」
雅「…」
翔「まさ？」
雅「…」
翔「雅紀？」
雅「…」
体が弱っているから、翔が説得してる途中でも
寝落ちしてしまう程。
「痛いから？」
翔「ん〜…それもあると思うけど…」
雅紀が水分を摂りたがらないのは、扁桃腺が腫れて
痛むからだと思ったけど「気力がね、無くなってる
気がする」って翔の言葉。
体力が限界で、気力も失ってる…って。
翔「診せて、まさき…」
雅「あ…」
僅かに開かれる雅紀の口。
翔「もう少し。ちょっと開くからな？」
雅「ん…」
翔が、親指と人さし指で少しだけ口を開くのを
手伝う。
それだけで雅紀の顔は苦痛で歪んで、目がギュッと
閉じられる。
翔「抗生物質は点滴で入れてるから、吸入して
薬吸おっか…」
「大丈夫だからね…まさき」
翔が準備をしている間、頭を撫でながら
声を掛ける。
雅紀はすぐに寝てしまうんだけどね…
翔「聴診してからにするね」
準備を整えた翔と看護師さんがやってくる。
翔「起きるかもしれないから、手握ってて
あげてくれる？」
「りょーかい」
処置してくれる人達と逆側のベッドサイドで
手を握る。
こんなに弱ってたらさ…説教なんて
できねーじゃん。
それに…心配になってきちゃう。
翔「吸引してもらっていい？それから、これ
吸わせるわ…」
看「はい」
看護師さんが吸引の準備をしてくれて
翔が雅紀の肩を叩いて少し声を掛けたけど…
雅紀は「…ん」って声を少し発しただけで
現実と夢の狭間。
翔「少しでも分かってない方がラクだもんな。笑
始めてもらっていい？」
看「はい」
軽く顎を引いて口を開かせた翔と、チューブを
進めていく看護師の動きは息ピッタリ。
雅「…っ、んっ…」
さすがに、この違和感と苦痛じゃ起きるよね…笑
しかも意識が朦朧としてるわけでもないから…
雅「…っん、んぐっ…、…っ、げほっ…」
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作者名：空
| 作成日時：2016年2月10日 18時
