2045.【3】 ページ45
［潤side］
和「あっ、鯉〜」
「くはっ！すげー、数だな」
ホテルの池には、ビックリするくらい沢山の鯉。
売店で餌を買ったら、あげてもいいんだって。
雅「お前ら、落ちんなよ〜？笑」
雅にぃはからかいながらも写真を撮ってくれてる。
夕食の時間までこんなことして過ごして、
夕食後は部屋割りジャンケンをして
各部屋へと分かれた。
俺は翔にぃと2人部屋。
ちょっと無理して夕食を食べたせいなのか
胃が変な感じ。
気持ち悪さと、変わらぬ頭痛を感じながらも
やっぱり「体調悪い」とは言い出せず
そのままお風呂の時間。
家族風呂を予約してくれたらしくて和が大喜び。
和「見てみて〜！泳げる〜」
「あっ、俺も！！」
ついつい楽しい雰囲気につられて、俺もかなり
はしゃいじゃった。
部屋に戻ってきたら、もうグッタリ。笑
和の部屋に診察に行ってた翔にぃが戻ってきたから
慌ててベッドから起き上がったけど…
翔「じゅーん…？もう隠さなくていい」
「…」
翔「具合、悪いんだろ…？」
「…」
バレちゃってる…
翔「いつも、ちゃんと言えって言ってんだろ？」
「…」
翔「じゅーん？」
「…」
黙り続けたら目の前に座ってきた翔にぃに
「潤？」って顔を覗き込まれる。
「…って、旅行、台無しになっちゃう…」
翔「隠してたら、ならないの？」
「…ん」
翔「違うだろ？」
「…ん、ちがう」
分かってる。
隠していたからといって、旅行が台無しに
ならないわけじゃない。
逆に、体調悪いのがバレたからといって
旅行が台無しになるわけでもない。
翔「体調悪い時に叱りたくはねーどさ…」
「…ゃあ、叱らない、で…？」
翔「…それは駄目。だって潤、分かってねーもん」
目を合わせてくるから怖くなって逸らすんだけど
「そうやって逃げるなら、いつまでも
終わらせねーからな」って叱られて…
軽く説教された。
でも「みんなには言わないで…？」ってお願い
したら「隠せる間は隠しておいてやるから」って
約束してくれた。
翔「ほら、寝転んで体温計挟んで？」
「…やだ、計りたくない」
翔「我儘言わない。笑」
「んん…」
翔「はは！そんな声出してもダメ。笑」
ベッドに寝かされて体温計を挟まれる。
口では厳しい翔にぃだけど、頭を撫でてくれる手は
本当に優しくて。
「お前の体調管理まで気が回らなくてごめんな？」
って言いながら、そっと体温計を抜いてくれた。
何度あったんだろう…？
気になりながら、眠りに落ちた…
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作者名：空
| 作成日時：2015年10月17日 13時
