2011.【2】 ページ11
［雅にぃside］
やっぱり俺って、
駄目な奴…
大事な家族にまで、こんな顔させて。
心配かけて…
だから涙をゴシゴシっと拭いて「あひゃ！
ごめんね？こんな話」って無理矢理に流した。
もちろん、そんなのは通用しなくて「俺らの
前では無理しなくたっていいよ」って
智にぃに慰めてもらう羽目に。
「…っ、んっ…、ごめ、んね…」
智「謝らなくていいから…」
こんな自分が悔しい…
ミスしたのは自分の責任なのに、結局みんなを
巻き込んで迷惑ばっかり。
俺に飼育される動物は可哀想だ…
そう思ったら、大好きだった職場にも
行きたくないって思ってしまう。
毎日会うのが楽しみな担当の子たちにも
合わす顔がない…
「…っ、んっ…もう、…やだ…」
智「ん、辛かったね…いっぱい頑張ってもさ、
失敗しちゃうことあるから…」
優しく頭を撫でてもらって少しだけ
落ち着いたけど…
「…っん…、んくっ…いきたく、ない…」
仕事に行きたくない。
自分のミスから逃げて、ほんとに最低な人間。
神様から天罰が下ればいいのに…
そんなこと考えながら眠った。
だからかな…
翌朝、俺の声は出なくなった。
もういいや…
どっか遠くに逃げちゃえばいっか…
って思っていたのに、にぃ達の声を聞いたら
涙が溢れて止まらなくなった…
［智にぃside］
多分、相当疲れていたんだと思う。
失敗が続いて、ストレスも溜まってロクに睡眠も
とれてなかったのかもしれないね…
泣きながら眠った雅紀をソファーで寝かせて
おいたら、翌朝は姿がなくって。
部屋を覗いたらベッドに座ってボーッとしてた。
でも、すぐに違和感に気が付く。
「まさ…？どした…？」
声を掛けたら、瞳が不安で大きく揺れて、
それから、喉を抑えながら口をパクパクっとして
泣き始めた。
「まさき、だいじょーぶ。声、出ない…？」
必死になって頷く雅紀を抱き締める。
「雅紀、どうだった？」って覗きにきた翔が
ビックリしながらも、深呼吸を促してくれて。
それでもヒックヒックって激しくなる一方。
翔「もしかしたら、必要になるかもしれないから
鎮静剤用意してくる」
ちょっと焦った様子で部屋を飛び出した翔。
雅紀はその姿を追おうとして、俺の手から
逃れようと、もがき出す。
「ちょっと待って…一旦、落ち着かなきゃ…」
雅紀の体を抱き締め直していたら、和の部屋から
コール音。
「ごめん、雅紀。少しだけ待ってて…？」
体をベッドに寝かせて和の元へと急ぐ…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1671人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：空
| 作成日時：2015年10月17日 13時
