197.【頭痛】 ページ47
［雅にぃside］
ここ1週間程、
和は頭痛で 苦しんでいる…
副作用の時みたいに酷い頭痛では
ないみたいだけど、
大好きな学校にも行きたがらず
塞ぎ込み気味だ…
潤「和？勉強する？」
学校から帰って来た潤が声を掛けてくれても、
和は目を瞑ったまま「いい…後で…」と
呟くだけ。
智「かずー、ご飯食べよう？」
智にぃに誘われても「今はいらない…」と
あまり食べたがらない。
もちろん俺が「一緒にお風呂入る？」って
言ってみたって「いい…今度ね。」と
断られるのがお決まりだ…
翔「和？ちょっと診察させてね？」
和「…いい。頭痛いから…」
翔「そうだね。辛いけど心配だから、
ちょっと見させてね？」
手を出して、翔にぃの手を払いながら
嫌だと訴えるけど俺が軽く押さえてしまえば
大人しくなる。
翔「薬飲んでも痛みは変わらない？」
和「ん…効いてない。」
翔「そっか。
じゃあまた違うの持ってくるね。」
和が頷いたのを見てから
部屋を出ていく翔にぃ。
和「…雅にぃ？」
ドアがバタンと閉まる音に反応して
俺を探るように手を伸ばす。
「ん？かず、ここにいるよ？」
すぐにその手を握ってやる。
和「…いて？」
「うん、一人にしないから。」
和は小さく笑って眠についた。
頭痛が続くに連れて、和の情緒も不安定だ。
夜中にいきなり泣き出したり、
「一人にしないで…」って泣いてみたり…
俺らはできる限り
和の要望に答えるようにして、
情緒の安定を優先した。
智「食べないと薬飲めないでしょ？
ほら、口開けて？」
和「…いらない」
智「かずー、いい子だから…
あーんできるでしょ？」
和「んー、やだ…いい子じゃなくていい…
あっちやってよ…」
泣き出してしまった和。
智「ん、ごめん、ごめん。
泣かなくていいから。
ね？ここに居てあげるから、食べよう？」
すぐに落ち着かせてあげる智にぃ。
和「ずっといる？」
智「うん、いるよ。だから、あーんして？」
和「あー」
不安定になるスイッチがいまいち
分からないけど、
翔にぃが言うには、ちょっと幼くなったって
イメージで接してやればいいらしい。
だから優しく声を掛ければ、
和も言うことを聞いてくれる。
和「…や。粉の薬飲めない…」
翔「新しい薬だよ？飲んだら、
頭痛いの治るかもだよ〜？」
和「んー、やだ…いらない。」
翔「頑張れたら偉いんだけどな〜？」
和「偉い…？のむ…そしたら居てね？」
翔にぃは優しく頷いて頭を撫でてやった…
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作者名：空
| 作成日時：2012年11月25日 13時
