189.【2】 ページ39
［智にぃside］
俺の言葉に
下を向いた潤。
翔「潤？自分で言いな。分かったんでしょ？」
促された潤は首を振る。
珍しいな…潤は自分が悪いと思ったら素直に
謝るタイプなんだけど。
雅「和は？思いあたる？」
和「…」
いつもの様に黙りを決め込む。
「後ろめたさもなく、悪いことするのは
兄ちゃん達、許さないよ？
それとも、悪いことしてるって自覚ないの？」
潤「…ちがう。分かってる。」
翔「なら、自分で言えるだろ？」
潤「ん…面談の手紙、でしょ…？」
ちょっと厳しく叱れば、潤はすぐに白状する。
曲がったこと嫌いだもんな。
「そうだよ。」
雅「出すの忘れてたわけじゃないでしょ？」
潤「…うん。」
翔「悪いって自覚してれば、隠してること
忘れないんじゃないか？」
潤「…ずっと前だから。もらったの。
しばらくはドキドキしてたけど…」
「何で出さなかったの？
俺らが学校行ったら、まずいことでも
してんの？」
潤「してないよ。でも…
来て欲しいわけでもないから
出さなかったら、バレないかなって…」
ほんと、正直なやつ。
まだ謝罪の言葉はないけど反省してんのは
伝わってきた。
問題は潤の横に座るこいつだ…
「かずは？」
和「…」
翔「おい、話さなきゃ終わんないよ？」
和「…」
雅「かーず？」
和「…」
俺らが3人で責めても下を向いたまま。
ほんと頑固なんだよな…
「和、悪いことしたなって思ってる？」
和「…」
こいつの黙りはどうにかならないかな…
厳しく叱れば、もっと頑なになるだけだし、
優しくすれば甘えてきちゃうし…
難しいな…笑
俺は翔と雅紀と顔を見合わせる。
3人で会議開きたいくらいだよ。
俺らが高校生くらいのときも
両親は苦労したんだろうな。
潤は心配そうに和の横に座ってるし。
翔「潤？面談の手紙持ってきて？」
潤「…はい。和に優しくしてね…？」
俺らの中に和を置いていくのが
不安なのだろう。笑
翔「はは。大丈夫だよ。持ってきて？」
潤は頷いてトボトボ歩いて行った。
「さ、かず？話ししようか？」
和「…」
首を振る和…
翔「なんでだよ。
話さなきゃ始まんないだろ？」
和「…」
雅「もう。どうすんの？」
結局、何も進まないまま潤が手紙を
持って戻ってきた。
潤「これ、手紙。ごめんなさい…」
翔に手紙を渡しながら、俺らに謝る潤。
「もう同じことすんなよ？」
潤「…はい。」
潤は素直に謝るから
和ばっかり遅れをとってしまう。
いつものパターンだ…笑
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作者名：空
| 作成日時：2012年11月25日 13時
