1853.【3】 ページ3
［智にぃside］
公園に着いたくらいで
途切れてしまった電話。
呼び掛けても反応がないけど、息遣いと
泣くような声が聞こえてくるから、意識を失った
訳ではないことが分かったから安心出来たけど…
公園で見つけた和は、不安からボロボロと
泣いていて、しがみ付いてくる。
「もう大丈夫だからね…」
しゃっくり上げて泣いて呼吸が乱れる…
何度も声を掛けながら背中をさすって
落ち着くのを待つ。
和「…っん、ん…、こわかっ、た…」
「ん…恐かったね…」
和「…っん…、ひとり、や、だ…」
「ん。もう一人じゃないから大丈夫…」
そっと首筋に手を当てて体温を確認してみる。
大丈夫そうだ…
「車に行こっか。立てる…？」
和「…ん、ん…ずっと、…っしょが、いい…」
「ん、ずっと一緒にいるからね…」
しっかり支えたら立ち上がってくれたけど
不安からなのか「ずっと一緒にいたい」「どこも
行かない」って泣いて縋ってくる。
何とか車まで歩いて、座席を倒して助手席に
寝かせたけど…
和「…っ、ん…、…かな、い…」
行き先が『病院』って分かってからは大変。
ハンドルに手を伸ばしてくるから、さすがに
ハラハラ…
「本当に危ないからやめなさい」って、少し厳しく
したらビクッとして、それからプクッとして。笑
「ずっと一緒がいいんだもん…」って
腕に掴まってきた。
「ずっと一緒にいるから…。ね？約束」
和「…ほんと？」
「ん、ほんと。嘘付いたことないだろ？」
和「ん」
迷いもなくコクコクっと頷いて可愛い奴。笑
翔「ありがとね、智にぃ」
病院の入り口には翔が居てくれたけど、和は翔の
存在を認めたくなくて拒否。
和「…ん、ずっと、…とにぃ、と」
「ん。ずっと一緒だから、翔にも挨拶して？笑」
和「…んっ、ん、…とにぃと、いたい…」
翔「はは！
じゃあ、ずっと一緒に居たらいいよ。笑」
翔がからかって頭を撫でたら「そうする」って
益々しがみ付いてきた。
そんな和を支えて診察室へ。
翔はペンダントに薬を追加しながら
「ちゃんと飲めて偉かったな」って褒めて
あげてる。
和「ん…連絡も、できた」
翔「ん。偉かったな」
もっと褒めて欲しいのかな。笑
俺に電話したことも誇らし気に自慢。笑
翔「和は偉いもんな？」
和「ん。えらい」
翔「じゃあ、これも頑張れるよな？笑」
和「…っ、…ない」
点滴のパックを見せられた和は首を振る。
ギュギュッと俺の腕にしがみ付いて
離れそうにないね。笑
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作者名：空
| 作成日時：2015年5月2日 14時
