1891.【2】 ページ41
［智にぃside］
ここんとこ、
体の怠さが抜けなかったり
何となく熱っぽいかな…ってことが続いていた。
だけど、まさか倒れるとは思ってなくて…
「…ん、んぅ…」
目を開けたら真っ白な天井。
すぐに飛び込んできたのは「…よかった」って
翔と雅紀の笑顔。
和潤「…っ、んっ…」
足元にくっ付いて泣いているのは
双子ちゃんかな？笑
翔「和？潤？智にぃ、起きたよ？」
和潤「…っ」
バフッ…
勢いよく肩に抱き着いてきた双子。
和潤「…っん、…っ…」
肩が2人の涙で湿っていくのが分かる…
「…ごめんねぇ」
頭を撫でていたら、少しずつ落ち着いてきて
「もう大丈夫！」って笑ってくれた。
翔「ちょっと話してもいい…？」
「…ん」
体の話なのは分かるけど、悪いことなのかな…
不安を隠そうとして深呼吸してみるけど
ドキドキと音を立て始めた心臓はうるさくなる
ばっかり。
「夜だったから、簡単な検査しか出来てないけど」
って翔からの前置きがあって…
血圧が低いこと
栄養失調のような状態のこと
菌が体に入り込んでいること
淡々と説明をしていた翔だけど「点滴で薬の
投与が必要だから入院になっちゃう」って
不安そうに瞳を揺らす…
その姿を見たらギューッと苦しくなって。
「…どれ、くらい…？」
やっと出た声はビックリするくらい震えていた…
翔「明日、もう少し詳しい検査をしてみないと
分からないけど…1週間から数週間は必要」
「…」
そんなに長く？
家のことはどうなるの？
次々と頭の中に現れる不安に押し潰されて
頬を涙が伝う…
和「…智にぃ？心配しなくて大丈夫だよ？」
潤「そうだよ。俺ら自分でやれるし」
和「ん。毎日ここに、くるし」
潤「うん！くるっ！」
甘えが抜けきれない素直な双子の言葉に
心が軽くなって「中途半端に治療しても
意味ないからしっかり治そうね」って
翔の言葉に頷けた。
「ん…がんばる…」
和「ふふ…毎日こよっと♪ 」
潤「くははっ！さっきも言ってたじゃん！笑」
病室が笑い声でいっぱいになったところで
「さて、双子ちゃんは俺と一旦帰ろっか」って
雅紀が明るく笑う。
そっか…もう深夜だもんね。
雅「着替えとか準備して、また朝になったら
来るから」
翔「ん、頼むね」
和潤「また朝ね！」
駄々を捏ねずに病室を後にする双子に
成長を感じる。笑
不安だろうにね…
「…ばいばい」
俺の方が不安でいっぱい。
呟いた声は小さくて消えた…
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作者名：空
| 作成日時：2015年5月2日 14時
