1421.【2】 ページ21
［智にぃside］
雅紀が「フラれた〜！
溶ける〜！」って
慌ててアイスを戻しにきた。
俺も和の部屋にお邪魔してみる。
翔「たぶん口内炎。診せてくれないけど…」
振り返った翔が教えてくれて。
ベッドには首を振る可愛い奴。
「かーず？痛いの？」
和「んっ、んっ…」
問い掛ければコクコク頷いて。
「翔が治してくれるって。診せてごらん？」
和「…」
「翔に治してもらう？」
和「…んと、に、なおせる？」
「治せるよ。だって翔先生だよ？」
和「…ふふ。」
手をどけた和の頭を撫でて、翔と場所を交代。
翔「どれ？治してあげよう。笑」
和「んふふ…」
翔「あーん？」
和「…あー」
恐々だけど口を開けられる和。
翔の力だよね…
翔は「えらいな」って頭を撫でながら
少し上を向かせて器用に視診してくれる。
翔「これは痛かったね…薬、追加しような」
和「ん…なおる？」
翔「ん、治るよ」
頭をクシャクシャっと撫でてもらって満足そう。
嫌がっていた薬も、すんなり飲んでくれて。
ほんとタイミングと気分なんだなってことが
よく分かって勉強になる。
その証拠に…笑
和「…らないってば！ばかっ！」
一旦、機嫌を損ねたら何を言ったって駄目。
小さい子と一緒だよね…笑
寝てる間に頭を冷やされたことが
気に入らなくて、冷えピタ剥がして、冷たい
タオルを投げ飛ばす。
雅「冷えピタ勿体ないだろ〜？」
和「…ってに、やんな、ばかっ！」
雅「だから、俺じゃないってば！笑」
和「関係、ないっ！」
雅「なんだそれ…笑」
貼ったのは翔なんだけどね〜
何故か雅紀が八つ当たりの対象に。
「冷えピタいらないんだもんね…？」
和「…ってに、貼んなっ！」
「ん、分かった。翔に言っておくから。」
和「勝手に、…んな！ばかっ！」
「かず、分かったから」
こうやって宥めても効果なし。
自分が嫌だったことの主張を気が済むまで続けて
結局、自分で疲れちゃって寝ちゃう。笑
翔「あ、寝た？笑」
翔はそれを分かっているから、和が荒れてる時は
当事者であっても関与してこない。笑
雅紀は「翔にぃずるい…」って膨れてたけど…
でも和が雅紀に八つ当たり出来るのは、雅紀の
ことを信頼してるからだから。
度を越した時は、もちろん和のこと注意する。
だけど、この程度の可愛い八つ当たりなら
許してやってってお願いしてある。
ちょっと辛くて苦しい時期だからね…
自分のことを見失ってしまうことくらいは
許してやりたいから。
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作者名：空
| 作成日時：2014年6月15日 16時
