1412.【7】 ページ12
［智にぃside］
「いってらっしゃいは？」
和「ん？ばいばい〜」
ソファーからピョコッと顔を出して
雅紀にヒラヒラっと手を振る和。
雅紀は「何か、どんどん雑になるね〜」って
笑いながら出勤していった。
最初は玄関までみんなのこと見送りに行って
気が向けば、くっ付いたりしてたのに
今は何かをしながら…が多い。笑
まぁ、それだけリラックスもできてるし
心の傷も癒えつつあるのかなって話では
あるんだけどね。
「今日はどうする？」
和「…ん、ゼリーだけ…」
「ん、食べよっか」
しっかりしたご飯は、まだまだ食べられないけど
ゼリーとか果物、気が向けばクッキーなんかを
食べられるようにもなった。
和「あらし〜？」
「ウォンッ！！」
和「んふふ…おいで」
ソファーであらしを抱っこして
じゃれ合って食べてる。
犬が2匹いるみたいだ。笑
それから、もう一つ大きな成長が。
和「…う着く？」
「ん、あと少し。大丈夫？」
和「…っ、だめ。…っ、んっ、おぇっ…」
日中の人が少ない時間帯なら、あらしの散歩の
為に車で河原に行くことが出来るように。
ただ、エチケット袋を持って、タオルケットを
被って視界を遮ってだけどね。
今日みたいに嘔吐してしまう日もあれば
大丈夫な日もある。
「ほら、誰もいないよ？口濯ごっか」
和「…んっ」
「うん、頑張ったね…」
タオルケットを捲って、口を濯がせようと
近付けたペットボトルそっちのけで
しがみ付いてくる。
目を潤ませてる和を見ると、無理しなくても
いいんじゃないかな…って思うんだけど。
「おつかれさま。口濯いで少し休もうね…」
「ウォンッ！」
和「…んふ、遊びたい、の？」
「ウォンッ！」
和「んふふ…」
あらしが遊びたがってるのを知ると「もう
大丈夫」って笑って。
「いこ…？」って手を引いてくるから。
これでもいいのかな…って思うんだ。
それに家ではうるさいくらいイキイキしてる。
潤が「家は安心できるところ」って言ってくれた
らしくて。
翔に「こら！」って叱られそうになると
「じゅんー、家の中なのに危険ー！！」って
笑いながら叫んで。笑
潤が「それ意味違くね？」って言いながら
助けるっていうね。
雅「このやろっ！」
和「じゅーん！！」
雅「危険じゃねーよ！ごめんなさいしろ！笑」
和「きゃっ、きゃー！」
我が家には以前と少しも変わらない
『あはははは！』って笑い声が溢れる。
大丈夫だね。
少しずつね。
少しずつ、前に進もう…
END
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作者名：空
| 作成日時：2014年6月15日 16時
