1081.【5】 ページ31
［翔にぃside］
この時間が
一番、大変。
泣かせるのすら厳しい状況だから
パニックなんてとんでもなくて…
一応ね、和に納得してもらった上で
安定剤は飲んでもらってるんだけど、
だからって体も心もいう事をきくって
訳ではないからね。
智「かず？まだやらないにしても
とりあえずソファーに移動しとこう？」
和「…んーん。…りたくない」
智「だいじょーぶ。一昨日も5の間に
終わったでしょ…？」
和「…ぼえて、ない」
和は「あっちいけ…」ってDSを持った手で
智にぃを追い払ってる。
まだ時間に余裕はあるから、こうなったら
寝落ちする前を狙うのが一番、安全。
「そこ冷えるから、ブランケット掛けて
おいて〜？」
ブランケットを届けがてら智にぃに目で
合図する。
ちょっと卑怯なやり方な感じもするけど
和の負担が軽く済む一番の方法だからね。
薬の副作用と安定剤の影響で眠くなってきて
ウトウトし出した和。
智にぃがゲームの相手をしながら
さり気なく背中をトントン叩いてくれてる。
和「…ん、…とにぃの、番。」
智「うん、ありがと〜。見ててねぇ」
和「う、ん…」
クッションに顔を伏せたから和の元へ。
あんまり眠ってからだと可哀想だからね。
雅紀に腕を固定してもらって準備完了。
「かず？かーずー？」
和「…ん、ん…？」
「点滴だけさせてな〜…」
うっすら目を開けてボーッとしてるとこ
可哀想なんだけど一声掛けてすぐに刺す。
和「…っ、んっ、ん〜…」
「ごめん、ごめん…もうおしまい。」
何されたか気が付いて怒り出したところで終了。
智「寝てたのにごめんねぇ…」
和「…んっ、ん〜…」
智「だいじょーぶ。おわったからね…」
いじけてバタバタする手をそっと包み込んで
空いてる手で背中をさすってあげる智にぃ。
智「あっという間だったでしょ…？
翔はやっぱり上手だねぇ〜」
和「…ん〜…」
智「ふふ…ごめん、ごめん…おやすみ。」
少し目を開けて俺らを睨んできたから
起きちゃったかな〜って思ったけど、
智にぃのお蔭で眠れたみたい。
握ってもらった手をギュッと握り返して
安心した顔して寝息を立て始めた。
そのまま熟睡するまで寝かせてやって
俺らが寝る時間に部屋に移動する。
雅「よいしょっと！！」
疲れと薬の影響でグッスリだから、抱き上げても
起きることはなくて。
雅紀がちょっと乱暴に持ち上げてもグッスリ…笑
ベッドに寝かせて吸入マスクつけて完了。
朝までゆっくり寝てね…
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作者名：空
| 作成日時：2013年11月16日 0時
