1077.【慢性呼吸不全】 ページ27
［翔にぃside］
使用した薬剤の影響で
呼吸筋に低下がみられる和。
呼吸不全の状態が1ヶ月以上続いて
『慢性』と診断が出て、日常生活の
あらゆることを制限されてしまっている…
「やめておいた方が良さそう…」
いよいよ学校への登校も厳しくなった。
もう1ヶ月以上、車での送迎を続けて
体育など少しでも体を動かすことは駄目。と
制限してきたけど。
教室の移動でも負担がかかる状況になってきて
酸素の吸入が欠かせなくなるから…
和「…じわる。」
「これ付けてるの嫌なんだろ？」
鼻からの酸素吸入チューブを付けててくれれば
授業に参加することは可能。
でも和は「そんな目立つの嫌」「病人みたいで
嫌」って頑なに拒んでいて。
和「それは、付けないって言ってんだろ…」
プイッと顔を背けた和は動脈血ガス分圧を
測定する為に指先に付けた器械も外してしまう。
智「かず？それは外さない約束。」
和「…」
智「翔につけてもらって？」
和「…」
智「…病院、いくか。」
智にぃは「約束だもんね」って立ち上がって
和の腕を掴む。
和「…んーん、つけ、る…、ごめん、なさい…」
和自身が息苦しさを感じていなくても、数値が
悪いことが多いから。
常に測定していないと危険な状態になる。
だから智にぃは、これに関しては当初から
約束させて厳しく接してる。
その甲斐あって今のところ重症化してない。
入院になれば辛い思いをするのは結局、
和だからね…
自分から手を差し出してきたから
指先をパチンと挟んで頭を撫でてやる。
智「ん？怒ってないよ…」
不安そうに智にぃの顔を見上げた和に
優しく笑い掛けて体を寄せてあげてる。
「話はまた後でな。とりあえず、付けてて」
酸素吸入マスクを渡して付けさせて
しばらく様子をみることにした。
今は興奮させるのも泣かせるのも和に負担を
掛けることになるから…
和「…っこうは、…きたい」
「ん。分かってる。智にぃとも相談しとく。」
和「ん…」
目を潤ませながらもコクンと頷いてくれた和。
智にぃはマスクを抑えてあげながら
胸元をそっと撫でてあげてる。
こうやって優しさで包み込んで寝かしつけて
くれるから和の表情はいつも安心しきってる。
「危険のリスクがあると学校はちょっと…」
智「そうだよねぇ…」
学校側も和の病気を理解した上で、受け入れて
対応してくれてるけど。
命に関わるとなると、そこまでの責任は…
話が別。
ここは和に納得してもらうしかなさそうだ…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 661人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：空
| 作成日時：2013年11月16日 0時
