965.【治療拒否して家出】 ページ15
［智にぃside］
和「もう！いったいな！
このクソ兄貴！！」
翔「待てって…
ちゃんと揉んでから。」
雅「かーずー？待って…」
大騒ぎで部屋から出てきた和と
追ってくる2人。
和は掴まれそうになる腕を乱暴に振って
翔と雅紀から逃げてる。
炎症を起こして腫れてしまった右腕が痛々しい…
その炎症を止める為の注射が
和を苦しめてる…
和「ん〜…触んなっ！ばか…」
翔「我慢しろって…揉んでおいたら後が
ラクだから。な？」
和「ん〜…」
翔「あ、こら…」
手を振り払った和は俺の背中に引っ付いた。
「どれ？見せてごらん？」
和「…だ」
そう言って腕を隠してしまう。
翔「後で痛くなったら嫌だろ？出して？」
「ほーら。」
背中から引っ張って、迫ってきた翔の前に
突き出す。
和「…っ、ん〜、…だって、いって、る…」
和は「やだって言ってるのに…」って
ポロポロ泣いて座り込んだ。
「分かってるよ？でも、翔のいうこと
聞いてれば治るから。ね？」
和「ん〜…」
納得いかないよね…
毎日、嫌いな注射されて。
しかも翔の話だと痛いみたいだから…
キッチンの入り口で座り込んだ和を後ろから
抱き抱えてる間に、翔が注射したところを
揉んでくれる。
和は「離せ…ばか…」って怒ってる。
翔「よし、おしまい。」
和「触んなっ！」
翔が頭を撫でようとしたらパンッて手を払って
部屋に戻ってしまう。
智翔「はぁ〜…」
思わずでるため息…
何とかしてやりたいけどね。
「はい、お弁当ね？」
唯一の救いが学校には行けてること。
腫れてるのは右腕だし、本人は不自由さを
感じてないみたいだから助かる。
炎症止めの注射が追加されたこと以外は
いつも通りの我が家。
賑やかだしワチャワチャやってる。
翔「左腕はどう？」
和「…」
翔「かずー？」
和「…」
ゲームに夢中の和は聞こえてないのか
聞きたくないのか返事をしない。
翔「かーずくん？」
和「…！答えるから、くんなっ！」
翔が近づいて行ったら、コントローラーを
振り上げて威嚇してる。笑
翔「はは！言ってることメチャクチャだな。笑」
今、翔が心配してるのは左腕にも炎症が
起きるんじゃないかってこと。
それを避ける為に注射も頑張ってもらってるし
早い段階で気付くのも大事だから
視診も欠かさない。
和は毎回怒ってるけどね…
翔「何怒ってんの〜？ちょっと診せて？」
和は「何ともないから触んなっ！」って
コントローラーを投げる…
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作者名：空
| 作成日時：2013年10月23日 6時
