5人で生きてゆく…part16 (ページ35)

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［智にぃside］

翌朝…

潤の様子が気になって
起床してすぐに部屋を
そっと覗いてみる。

寝てるかな～って思ったんだけど
2人してベッドに座って
翔の雑誌を見ておしゃべりしてて…

「あ、おはよう」って笑う。

ベッドサイドに聴診器と
クシャクシャになったＴシャツがあるから、
何となく分かったけど…

翔「ちょっと智にぃとバトンタッチね。
和の診察してきちゃうから」

途端に不安そうになる潤。

それを見てさらに、何となく分かった。

翔「じゅん？智にぃにも、どの色がいいか
聞いておいて？」

潤「ん…」

頷いた潤の頭をポンポンした翔は
すれ違い際に「頼みます」って呟いた。

潤「智にぃ、ここ…きて」

潤はベッドサイドに座ってって見つめてくる。

恥ずかしがることもなく
こんなことを言うことはまずない。

余程、不安定なんだなって分かる…

潤「…さと、にぃ、おはよう…」

ベッドサイドに腰掛けたら
振り向く前に後ろからギュッと
腰に引っ付いてきた。

潤「だれ、も…どこも…かない…？」

「もちろん。どこにもいかないよ。」

手を背中にまわして、ゆっくりさすってやる。

潤「…にぃ？」

「ん？」

潤「また、ね。夢見た…。…なくて、いい？」

「うん、いいよ。寝なくていいから…」

潤は「…よかった」って呟くと
「じゃあ、これ選んで？」って
笑って雑誌を開く。

並んでいるのは沢山の色のネクタイ。

「俺ねぇ、ネクタイしないからさ…笑」

潤「翔にぃのは？どれがいいと思う？」

「うーん…翔は色んな色持ってるからなぁ。
ピンクとか。俺、比較的すきかも！」

潤は嬉しそうに笑って「後で翔にぃに
教えてあげよっ！」って雑誌を閉じた。

翔「じゅーんー？学校どうする？」

診察から戻ってきた翔。

潤「…かず、は？」

翔「大事をとって今日は休み。
元気なんだけどさ、若干風邪気味かな」

潤「…おれも…かない」

「いい？」って俺を見上げてくる潤。

寝不足だし、昨日は夕飯も食べれてないし…

そう思ってOKを出してやったら
嬉しそうに笑う。

頭を押し付けてきてさ、和みたい。笑

「さて、ご飯作ろうかな。
潤も一緒に行こう？和も来てるんじゃない？」

潤「…うん！」

元気そうに立ち上がった潤を見て、
とりあえず一安心。

翔のＴシャツが若干大きめで何か可愛い。笑

リビングのソファーに座った双子を
キッチンから見ながら、雅紀と俺は、
昨日の夜のことを翔に教えてもらった。

「しばらく気を付けようね…」って
頷き合う。