766.【6】 ページ16
［智にぃside］
和は俺の腕の中で
ひたすら震えてる…
それでもカウンセラーの
問い掛けにはコクコク頷いて
和なりに頑張ってる。
翔「かず…怪我してる？」
翔は戻ってきて、潤を椅子に座らせると
和の前にしゃがみ込んだ。
翔「ちょっと診てもいい？」
和「…」
和は言葉で拒否するかわりに、
手を大きく振って翔の手から逃れる。
その間も、怪我してる腕はずっと掴んだまま…
周りが真っ赤になる程、ギュッと握って
離そうとしない。
翔「…血が出てる感じはなかったんだよね？」
「うん、そうだね。血が流れてるってことは
なかったから。」
翔は「じゃあ、家で様子みようか。必要そうな
物は持って帰るから」って優しく笑う。
和「お…ち？」
翔「うん、疲れたもんね。帰ろうね…」
和は「お家」と聞いて
やっと少し安心したのか、
コクンと頷いて少しだけ体から力を抜いた。
翔「俺は車もあるし、後から戻るからな？
智にぃの言うこときいて、待ってて？」
和の頭を優しく撫でた翔は
「傷口冷やせそうなら冷やして、水分も
お願いします」って俺に笑いかける。
ほんと、どこまでもしっかりした兄ちゃん。
家に帰ってきてからラグの上で
あらしとジャレ始めた和。
智「かず？少し寝る？リビングでもいいよ？」
和「…いい」
でも大人しいし、腕もしっかり
ガードしたまま…笑
潤「はい、ジュースね。りんご。」
和「ん…ありがと」
潤は自分の分を用意するついでを装い、
和にもしっかり水分補給させてくれる。
ストローさしてやってさ。優しい奴…
だからちょっと潤に頼ることにして。
「じゅん？保冷剤当てさせてくれる？」
潤「はーい」
潤はすぐにタオルで包んだ保冷剤を
和の元に持っていってくれた。
潤「はい、かず。」
和「…いい」
潤「当てとけば痛みも引くよ？
智にぃ、無理矢理に見にきたりしないから」
和「…ん」
潤の言葉に頷いた和は素直に保冷剤を
受け取って腕に当ててくれた。
とりあえず、第一難関はクリアかな…笑
でも保冷剤を当てたってことは怪我は
してるんだろう。
俺は翔に、今の和の様子をメールして、
雅紀にも「無事に家に戻ったから心配しなくて
大丈夫だから」ってメールを入れた。
雅紀の奴、飛んで帰ってきそうじゃん？
リアルに…笑
潤「おかわり、いる？」
和「ん…オレンジがいい」
ほらね？こっちは心配いらないから。
潤と翔のお蔭で、和は経口で水分を
とれてるから安心。
喉も乾いてたんだろうね…笑
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作者名：空
| 作成日時：2013年7月16日 5時
