5人で生きてゆく…【幼き記憶】 (ページ4)

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4.【検査入院】ページ4

［和side］

俺は酷い風邪でも
ひいてしまったのかな…

体がいつになってもラクにならなくて、
いつの間にか大きな病院に連れて来られてた…

目を覚ましたら、病院のベッドの上だけど
いつもより体がずっとラクで…智にぃが
「よかったね」って頭を撫でてくれた。

だけど、智にぃの口から出たのは
「入院」って言葉。

智「分かるよね？入院。
病院に泊まるんだよ？」

「…泊まったら、なおる？」

智「うん。何で熱が下がらないのか
検査して調べましょうって。」

「…ひとり？」

智「うん、ごめんね。
面会時間のギリギリまでいるし、
ここで仕事するから。ね？」

「いつまで？」

智「とりあえずね、検査の間の1週間。」

「…分かった」

入院なんて嫌だけど、このままだと
治らないのは分かったから
智にぃの言う通りにしようと思った。

俺は疲れもあってか、智にぃに頭を
撫でてもらいながら眠りについた。

看「和也くん、おはよう。
よく眠れたかな？」

翌朝は看護師さんに起こされて
入院したことを思い出した。

体温計を受け取って熱を計る。

医「あ、おはよう。胸の音聞かせてね」

看護師さんも、お医者さんも
優しくしてくれる。

医「薬のお蔭だけど、熱も下がってるね。
今日から、さっそく検査始めるからね」

そういうと、お医者さんは看護師さんに
指示を出して採血した。

痛いのは嫌いだけど、注射はそれほど
嫌いじゃない。

それに看護師さんは、すごく上手だった。

検査も沢山やらされた。

エコーってやつとか、心電図とか
レントゲンとか…

なんだ、検査って怖かったけど、
痛くないんだなって思ってたら
カテーテルっていうのが痛かった。

智「痛かった？頑張れて偉かったね」

検査室から戻ったら、智にぃがギュッと
抱きしめてくれて。

俺は慌てて涙を拭いた。

「…泣いたこと、言わないで？」

智「ふふ、分かった。言わないよ」

「検査、明日もまだやる？
痛いのは、もうやだ…な」

智「そうだね、明日も検査だって。
でも、頑張って家に帰ろうね。」

智にぃの言葉が、
頭の中で何回も繰り返される…

検査は嫌だけど、早く家に帰りたい。

俺はこの日も、智にぃの温もりを感じながら
一人になる前に、眠ることができた。

でも、すごく嫌な夢を見たんだ…

智にぃと翔にぃと雅にぃと潤が
俺に背を向けて、どんどん、どんどん
遠くに歩いて行っちゃう夢…

いくら走っても追いつけなくて…

「…かないで！」

パッと目を開けたら白い天井が見えた。