3.【体の異常】 ページ3
［智にぃside］
新学期が始まって早々…
学校から帰宅した和の顔色は最悪で、
ベッドに寝かせたら大量に嘔吐した…
上がり続ける熱に、魘されて辛そうで。
翌朝、すぐに翔の病院に連れて行った。
医院長先生が聴診器を
当ててくれている間も
和は荒い呼吸を繰り返す…
結局、風邪薬を処方されて帰宅した。
「少しでいいから食べようね」
お粥を食べてくれるのも最初の2口くらい。
3日間も高熱が続いて、
薬も全く効かない状況。
俺らは和を連れて、もう一度病院に
行ってみることにした。
医院長先生は、
また丁寧に診察してくれた。
先「一旦、熱を下げてみようね」
先生は和に声を掛けながら
うつ伏せに寝かせた。
先「お尻に熱を下げる注射をするよ。
ちょっと痛いけど、動かないで頑張るよ？」
意識がはっきりしてない和だけど
俺がパンツを下げたら、
さすがに恥ずかしかったのか顔を隠した。
翔は先生のサポートをしながら
和の腰をギュッと抑える。
先「ラクになるからね。ちょっと我慢だよ？」
和「…！ん、んー」
針が刺さって、さらに薬が入れられると
痛みで声が漏れてしまう和。
でも、暴れることもなく
大人しく寝ていてくれた。
家に帰って来てからは、解熱剤のお蔭で
微熱程度まで熱が下がり、
久しぶりにご飯も食べられた。
だけど、安心したのもつかの間…
夜にはぐんぐん体温が上がり
また高熱に戻ってしまった。
そんなことの繰り返し。
雅「また注射してきたの？」
「うん、頑張ったんだよな。」
和「ん…痛かった。」
元気になる為だからと言われているから、
繰り返される解熱剤の注射も
文句を言わずに耐える和。
それでも和の体調は回復しなくて…
先「ここまで下がらないとなると
原因は他にあるな…」
顔を曇らせた先生…
先「紹介状書くから、大きな病院で
しっかり検査した方がいいね」
医院長先生の言葉に
俺らはしっかり頷いて大学病院に足を運んだ。
待合室で待っている間も、苦しそうな和。
診察室のベッドに寝かされた時には
もう意識が朦朧としてしまっていて…
すぐに腕に点滴がつけられる。
医「入院して、検査しましょう」
「…お願いします」
ここまできたら、もう任せるしかない。
薬でぐっすり眠っている和の頭を撫でながら
俺は何て伝えようか…と、ずっと考えてた。
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作者名：空
| 作成日時：2013年4月5日 8時
