5人で生きてゆく…【幼き記憶】 (ページ2)

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2.【平和な日々】ページ2

［智にぃside］

翔「じゅーん？
お墓参り行くよ？」

潤「んー、ねむい…」

眠そうに目を擦る潤の手を引いて
部屋から出てくる翔。

和「あー、俺のメロンパン食べちゃダメー」

雅「あひゃ。ごめんって。笑」

朝食を食べながらワチャワチャしてる
雅紀と和。

和と潤はこの春、小学校4年生になった。

まだまだ子どもだけど、
自分のことは自分で出来るし
手はだいぶ掛からなくなったかな。笑

雅「智にぃ！俺のくつ下知らない？
ほら、買ったばっかのやつ。」

雅紀は専門学校を卒業した後、
ペットショップでアルバイトしている。

翔「じゅん？いつまでも機嫌悪いと
置いてくよ？ご飯食べろって」

翔は医者デビューしたばっかり。
小さな病院で内科医として働いている。

今日はこれから、両親のお墓参り。

ポカポカの太陽と春風が気持ち良い。

潤和「じゃんけんポン！！」

お墓までの階段を、じゃんけんしながら
楽しそうに登って行く双子ちゃん。

「大きくなったね、2人とも」

翔「ね。きっと喜んでくれるよね。
それに、医者になれました。って
やっと報告できる」

雅「うん。俺もさ、ちゃんと正社員になれる
定職探すから。報告しなきゃ。」

俺らは、和と潤の背中を見ながら
そんなことを話していた…

潤「おとーさん、きたよ！」

和「おかーさん、きたよ！」

『5人で来たからね…』

いつものように、お墓の周りを掃除して
お花を供える。

「みんなからね、報告があります」

和「4年生になりました」

潤「10歳です」

翔「はは。笑
やっと医者にやれました。
迷った時は、また助けて下さい…」

雅「俺はまだバイトだけど…
ちゃんと仕事探すから。見守って下さい。」

「これからも5人で頑張ります。
空から仲良く見てて下さい…」

和「あ、あとね。この間、雅にぃが
蹴飛ばしました。いけないよね？」

翔「はは。それは報告しなくていい。笑」

雅「あひゃ。俺は悪くないしね。
空から見られてんだから、全部バレてるよ？」

和「むぅ…いじわる。いーだ！！」

雅「このやろ！まて！」

翔「雅紀も和もやめなさい！
お墓は遊ぶところじゃないでしょ？」

雅和「…はーい」

ふと、気が付いたら潤がしゃがんで
お墓に手を合わせて何か祈っていた。

「じゅん？なに、お願いしたの？」

潤は「ん？」って俺のことを見上げた後、
小さく笑ってこう言った。

「ずっと5人で笑ってられますよーに…」って

こんな時間がずっと続くと
当たり前に思っていた…