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［翔にぃside］
和「ただいまー」
「おかえり。学校楽しかった？」
和「うん、あのね…」
話しながらお菓子を食べてる和に
体温計を挟ませる。
今日はこれから病院だ…
空けても3日。
それ以上はいくら体調が良くても病院には
連れて行ってる。
和「鳴った！！36.1℃」
ニコニコしながら体温計を持ってきた和の
頭を撫でてやる。
だけど大変なのは、ここから。
和「今からやろうと思ったの！！
むり〜！！」
和はゲームだの宿題だの…
あの手この手で病院に行くのを先延ばしに
しようとする。
「じゃあ、15時半な！」
和は「聞こえません」とでも言うように
俺の言葉を無視してくる。
でも、俺だってそんなことでは
負けないもんね。笑
和「やーだー、ばか、離して！！」
智「何、怒ってんの〜？」
和「ボス倒してる途中だったの〜」
智「ふふ、そっか。じゃあ帰ってきてからの
お楽しみだね。靴履かないと…笑」
ぐいぐいと引っ張る俺とは対象的に
智にぃは靴を履かせてやったり、和の訴えを
聞いてやったりと宥め役に徹する。
和「ねぇ、すぐ帰れる？注射しない？」
智「先生に聞いてみないと分かんないな〜。
でも、すぐ帰れるのは確かだけどね〜」
和「…いっしょに、居てね？」
智「ふふ、もちろん。」
車から降りる時も、智にぃにベッタリ。
和「んー、やだ…こわい…」
診察室では半泣き状態。笑
先「フラフラしたりしない？」
和「やー、触ったらやー」
相変わらず、先生を全力で拒絶して
失礼な言葉も平気でぶつけてる。笑
先「貧血気味だね…採血だけしようね」
和「やー、ちゅうしゃやだー」
先「ほら、恐いのすぐおしまい」
和「ぎゃー」
注射となるとパニックは避けられない…
バタバタ暴れる和を抑え込んで
済ませるしかなくて、これは俺らも毎回辛い。
和「や、帰る！」
「さようなら。して？」
和「やー、こわいー」
終わってからも恐い人として記憶されている
先生、看護師、カウンセラー。
だけど、みんな笑って「かずくん、
さようなら。頑張ったね」って
笑って見送ってくれるんだ。
雅「かずー、注射頑張ったんだって？」
和「んー、ここ。」
家に帰って雅紀に褒めてもらえれば、
少し表情が柔らかくなって…
注射の痕を見せて、さすってもらいながら
体を寄せて甘えている。
和「…のね、智にぃと翔にぃが、
ぎゅってしたんだよ…？」
雅「そっか、嫌だったね。笑」
和「うん…」
俺らが虐めたみたいになってるじゃん。笑
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作者名：空
| 作成日時：2013年4月5日 8時
