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［翔にぃside］
まさか無理矢理
薬を飲ませることになるなんて…
考えもしなかった。
智にぃに背中を撫でられ
少し落ち着いた和は
ギュッと腰に回した手の力を
ちょっとゆるめた。
やるなら今しかない。
そう思った俺は、
智にぃに無言で合図した…
和が発病してしばらくは
よく智にぃと俺で薬を無理矢理
飲ませてたな…
その記憶を手繰り寄せ、
やり方を思い出して
飲ませてやるしかない…
智にぃは、自分の腰に回された手を掴んで
上を向かせて、自分の足の間に
和の頭を挟んで固定した。
自分に助けを求めて縋っていたのに…
その手を掴んで固定するのは
和を裏切っている様で心苦しいだろう。
でも今は、これが優しさなんだ…
俺らは、そう信じるしかなかった。
和「や…やめて…さと…にぃ」
智「ごめんな、かず…」
全身を使って薬を拒む和…
「潤？和の足、押さえてくれる？」
潤「…ん、了解」
潤は和の足を抱く様に固定した。
和「やだ…のみ…たくない…」
和は涙を流しながら、自由になる手を
バタバタさせて嫌だと訴える…
智「かず？
ちょっとの間だけ手もしまっておこうね…」
すごい力で抵抗する和の手を、智にぃと俺で
智にぃの足の下に入れ固定する。
和「…おねがい…やだ…
じゅん…やめさせて…」
それを聞いた潤の目から
涙がポロポロ流れる…
でも決して押さえる力は緩めない。
「かず？無理矢理やってごめん…
我慢して飲もうね。
はい、あーんしてごらん？」
口をギュッと閉じて拒否する和…
智「早く終わりにしちゃおうね…」
智にぃは、足の間に挟まれて
動けない和の顔に優しく触れ、鼻をつまむ…
智「翔、顎引いて？」
少し苦しくなり、口もとが緩んだ隙を逃さず
顎を強く引く。
「嫌だよな…
和…えらいよ〜、我慢してな…」
少しあいた口が閉じない様に
雅紀に素早く
水を飲ます為のチューブを
噛ませてもらう。
和「…ん〜、や…い、や…」
4人の男に押さえられては
勝てるはずもなく…
それでも和は拒み続けた…
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作者名：空
| 作成日時：2012年10月20日 15時
