恨みと憎悪 ページ24
皆が次々とリビングを出ていく中、
一人だけリビングから一向に出ようとしない人物がいるのに気付いた。
『...サトル先生。私、少しあの人とお話したいので、
先にリビングから出てくれませんか?』
サ「...?別にいいけど...。」
サトル先生はその人を見て不思議そうな顔をする。
サ「...くれぐれも、気を付けてね。誰が狼か...分からないから。」
『......わかりました、サトル先生。』
そう私が言うと、サトル先生はキッチンで待ってると言って、リビングを出て行った。
(...さて。)
私は、ある一人の人物以外の全員がリビングから出ていくのを確認すると、
私は徐々に、その人に近づいた。
「...っ。」
その人は私が近づいてきたからか、少し体を震わせる。
「何か...用ですか...?」
彼の顔は酷く青ざめているようだ。
多少の冷や汗も出ている。
『...はい。少し二人で話でもしませんか?
...永井オサム先生?』
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
(オサムside)
まさか...彼女だったなんて...。
私は初めて会った時、あの双子の片割れだと思っていなかった。
オッドアイの双子。青い瞳を持った姉。全くの別人だと思っていた。
人見知りで、消極的で。酷く淀んだ瞳。私の知っている彼女とは正反対だ。
...だが今は。
私に向けてくる眼差し、その眼差しの中に恨みや憎悪の感情が見え隠れする。
...あの時と同じ瞳だ。...どうして、気づかなかったのか。
こんなにも近くに、彼女が...。相田Aがいるなんて。
『...オサム先生は、勿論覚えていますよね。』
震えて、声が出ない。
自分でも汗をかいていることがわかる。
『...何も、言わなくても結構です...。聞いてくれるだけでいい。
...10年前、貴方は私達が他の生徒に虐められているのを知っていた。
...何度も、何度も先生に相談したのに、貴方はずっと....何で...』
『...何で!何で見向きもしてくれなかったんですか!』
そう言って彼女は涙を一滴零した。
私はサトルさんのように彼女の涙を拭いてあげる資格などなかった。
私がうつむいて何も喋らないのを見て、彼女はまた喋り始める。
『...もう、私はこれ以上貴方にとやかく言うつもりはありません。
ですが、これだけは守ってください。これ以上、私達のような人を
見捨てないことを...。』
そう言うと彼女はリビングから出て行った。
残された私は、ただ青ざめた顔で彼女を見ることしか出来なかった。
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豆腐にカスガイ(プロフ) - メルシィさん» わかります....。サトル先生は女装似合うと思います....。あんなに細いんですし色白ですから、きっと腕とか足とか出してても似合うと思うんです...!!!...きっとサトル先生の女装が出たら喋るたびにスクショとってしまいそうです...ww (2018年7月30日 22時) (レス) id: ea09aaf2cc (このIDを非表示/違反報告)
メルシィ - 豆腐にカスガイさん» ですよねぇ!!(大声)サトルさんの照れ顔…それはスクショしまくりですね()確かに女装見たいです!サトルさんは細そうだしけっこう似合いそう…w (2018年7月25日 23時) (レス) id: c1ee170272 (このIDを非表示/違反報告)
豆腐にカスガイ(プロフ) - メルシィさん» 誕生日のストーリー...!確かにあったら嬉しい!サトル先生に誕生日おめでとうって言いたいし、サトル先生がおめでとうって言われて照れてる姿とか見てみたい!そして欲を言えば誕生日以外でもサトル先生の出番がもっと欲しい!例えば第二弾男子会開いて女装とか...!w (2018年7月25日 20時) (レス) id: ea09aaf2cc (このIDを非表示/違反報告)
メルシィ - 豆腐にカスガイさん» そうなんですよね…こんがらがるから買いたくても買えません()あと、サトルさんの誕生日の時にコウくんみたいにアナザーストーリーあったら嬉しいですよね! (2018年7月24日 13時) (レス) id: c1ee170272 (このIDを非表示/違反報告)
豆腐にカスガイ(プロフ) - 緋鞠さん» サトル先生いいですよね!特に料理失敗しちゃって焦っちゃってるところとかとてもかわいくて…♪ (2018年7月23日 22時) (レス) id: e1470e4df3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:豆腐にカスガイ | 作成日時:2018年7月21日 15時