【文スト】純粋かも知れない素敵帽子の恋愛奮闘記【中原中也】【短編集】

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中也君とは反対側の腕に抱き着いて来る太宰君


「暑いから離れて欲しいんだけど…」

中也「離れろよ賞味期限切れの青鯖が！塵処理場に送られて燃え粕(カス)になれ！」

太宰「賞味期限切れの青鯖っていう悪口、初めて云われたよ」


太宰君は

中也の厭がる顔が見れたから満足だけれどね

と云いニッコリ微笑む

どんな人生を過ごしたら

こんなに捻くれた性格になるんだろう

と純粋に思う


中也「包帯のような何かの癖に、先輩に抱き着きやがッて…」

「私を挟んで喧嘩しないでよ…五月蝿い」

中也「スミマセン。今直ぐ此の厨二病は処分するンで」

太宰「はあ？厨二病は其方だろう？」

中也「ンだと！？！」


私から離れ

殴り合いを始める二人

離れて呉れたらそれでいいや

骨が折れる音とか聞こえるけど

…まあ

骨が折れるなんて日常茶飯事だし

大丈夫だろう

あの二人なら


太宰「私がAに抱き着いちゃいけない、なーんて法律無いし、別にいいじゃあないか」

中也「人の彼女に触れるなッつッてンだよ！」

「おい待て中也君の彼女になった憶えは無いぞ」

太宰「君のモノだっていう証拠なんて何処にもないけれど？」

中也「…証拠を見せりゃいいンだな？」

「え、な、何云ってるの中也君！？」


ズンズンと止まることなく

中也君は私に接近付き

頸元に顔を埋める

腕は中也君に強い力で掴まれて

抵抗のしようがない

顔が赤くなっているのが厭でも判った

太宰君の方を見ると

ニチャアと

某黒いノートに名前を書いて

人を殺すアニメの主人公みたいに微笑っていて

計画通り とでも思っているんだろう

顔がそう云っている

中也君はまんまと太宰君の口車に乗せられた訳だ

チクッと頸に痛みを感じだと思ったら

中也君が離れ

太宰君の方へ振り返った


中也「ほら、此の接吻痕が俺のだッていう証拠だ」

太宰「クッキリ痕がついたのねえ…。こりゃ暫く消えないよ」

「中也君と私が恋仲っていう噂流れちゃう…」

太宰「其れいいねえ！Aの悩み苦しむ顔が見れそう！早速噂流してこよー！」

中也「学園中に流れるようにしろよー」

「君は何で止めないの！？」

中也「先輩と恋仲ッていう噂が流れたら、先輩に接近付く害虫が居なくなるからです」

「何時の間にか此の子ヤンデレ化してるんだけど」


私と中也君が恋仲という噂は

ものの数分で学園中に広まった

噂の流れる速度が尋常じゃないんだが

誤解を解くのに一ヶ月かかったのは云うまでもない

ちゅーやの！ちゅーやの！三時間クッキング★→←♢

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