代替品 ページ16
時は経ち、いよいよ職業体験の日が来た。私は無事、お母さんが働いていた事務所からの指名をもらうことが出来た。他にもいくつかの所から指名を受けたが、私は即決でお母さんの事務所を選択。
穏やかな街並み、行き交う人々｡
現在、私はプロヒーローと共に街中を巡回中だ｡
「君のお母さん、カノンなんだって？ 凄いじゃないか」
「.....そうですね」
あまりこの話題は好きではない。その度に自分の劣等感を感じてしまうからだ｡
「君のお母さんはいい人だったよ！ 強くて優しくて、皆から好かれてた｡いやー.....本当に惜しい人だった。なんであんな突然殺されちゃったんだろう」
私のせいです。なんてこの流れじゃ言えなくて、押し黙ってしまう｡そんな私に気づいたのか、彼は申し訳なさそうに声をしぼめ、
「あ、こんな話、君の前でするもんじゃなかったな｡すまん｡」
「いえ.....平気です」
「そうか、うん、大丈夫だよAさん｡」
こんな話、色んな人と何度もしてきた｡
そして皆最後にこう言う。
「君の個性、お母さんと全く一緒ならしいじゃないか。きっと、お母さんみたいなプロヒーローになれる｡いや、なるべきだ」
母の代わりになれと｡幾度となく言われ続けてきたこの言葉｡そんなこと、百も承知だ｡分かっている｡
私はお母さんが守っていた家庭や名誉を、ぶち壊しにしてしまった｡そのツケは、必ず払わなければならない｡
ふと、爆豪くんに送ってもらった時に一瞬考えたことを思い出した｡
影で支えるヒーローか｡.....ダメだ、お母さんとは正反対だ｡そんなの代わりとはいえない｡
私は、プロヒーローカノンになる｡
たとえ、それが自分の望まない将来だったとしても｡だって、それが私にできる最善の償いだろう｡自身を殺せ｡甘えるな｡自分一人で全てやってのけろ｡
「.....分かってます」
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匿名希望より - 作者さんリゼロ好きですか？どこか既視感あるなと思いまして (2021年8月12日 2時) (
レス) id: 84a09a672a (このIDを非表示/違反報告)
真実(プロフ) - はるはるさん» コメントありがとうございます！ こんなに長々と感想を頂けてとても嬉しいです。満足していただけて幸いです！ (2019年5月8日 13時) (レス) id: c4af4231ab (このIDを非表示/違反報告)
はるはる(プロフ) - とても素敵な作品でした。終始涙が止まらないくらいに感動しました。爆豪勝己というキャラの良さが詰まっていて、満足出来ました。このような素敵な作品を作って下さりありがとうございました。 (2019年5月8日 2時) (レス) id: 0a19bd2b46 (このIDを非表示/違反報告)
真実(プロフ) - momoさん» コメントありがとうございます！確かに話を考えるのは大変ですが、作者の貧相な脳みそで精一杯物語を紡げるよう頑張ります！ (2019年5月4日 23時) (レス) id: c4af4231ab (このIDを非表示/違反報告)
momo(プロフ) - いつも読ませてもらってます！展開が難しいかもしれませんが、更新頑張って下さい！応援してます！ (2019年5月4日 23時) (レス) id: 0b1ff1fc69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：真実 | 作成日時：2019年4月17日 18時
