小話2: 煉っ様リクエスト ページ35
今日もいつものように爆豪くんの部屋にお邪魔し、だらんと床に寝そべっていた。特に大した会話があるわけでもないが、こうやってお互いの空間を崩さないよう、彼とゆったりと気ままに過ごす時間が私は好きだ。
「切島んとこ行ってくる」
不意に爆豪くんが立ち上がり、引き出しから何かを取り出して、廊下へ繋がるドアに手をかけた。どうやら、切島くんから借りた物を返しに行くらしい。
はーい、と凡庸に返事をして、部屋から出ていく爆豪くんを見届けた。元々音の少なかった部屋にさらに静寂が重なり、しーんとした部屋に1人取り残される。
手持ち無沙汰になって改めて周りを観察すると、その洗練された空間に目を奪われた。完璧を求める爆豪くんらしく、乱暴で荒々しい爆豪くんとは似つかない部屋だ。
まだ彼のことはよく分からないな、と呑気に思いつつ、忙しなく目を動かしていると。
ふと、ひとつの家具に目が止まった。整えられた、でもちょっとシワがあり使用感も伝わるふかふかそうなベッド。
「……」
どうしよう、今すぐ飛び込みたい。
衝動に駆られ、心の中で暴れる獣を押さえつけるみたいに悶々とそれを凝視する。だって、こんな気持ち良さそうなベッドだ。しかも、爆豪くんの普段使い。
見つめているうち、前に1度、このベッドで寝かせてもらった時のことを思い出した。
あの時、すごくいい匂いしたな……。
もっと嗅ぎたかったな……。
ほんのりと香ったあの心地よさがまざまざと思い出される。
前回は本人が目の前にいた為躊躇われ、自分の変態的欲望が叶うことはなかった。
が、今はどうだ。
持ち主は今、友人の部屋。多少好き勝手してもバレないだろう。
ちょっとだけ、ちょっとだけなら、と己の我慢の甘さが理性や羞恥心を冒していく。
そして。
ーードサッ
あっさり欲求に負けてしまった私は、爆豪くんのベッドに思いっきり倒れ込んだ。掛け布団をぎゅーっと抱きしめながら、枕に顔をうずめスンスンと香りを嗅ぐ。
甘いニトロの……爆豪くんの匂いだ。
えも言われぬ大好きな人の匂いが頭を満たし、胸がきゅう、と締め付けられるような感覚。もっと、もっと。
「ばくごーくん……ばくごーくん……いい匂い……」
うわ言のように小さく何度も名前を呼びながら匂いを抱き込み、足をバタバタと交互に動かし悶える。しばらくそうした後、少し疲れがきて突っ伏すと。
突如、頭上から低い声が降ってきた。
「気ィ済んだかド変態」
……あっ。
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如月 - ありがとうございます！(*｀･ω･)ゞ (2019年8月13日 11時) (
レス) id: 26dff16a4d (このIDを非表示/違反報告)
真実(プロフ) - 甘党さん» こちらこそ、リクエストありがとうございました！妄想が捗って、書くのがとっても楽しかったです(笑)宜しければ続編も、どうぞご贔屓にしてください。 (2019年8月12日 21時) (レス) id: 3c371268a1 (このIDを非表示/違反報告)
甘党(プロフ) - 『彼氏を甘えさせよう！』読みました！リクエストに答えていただきありがとうございました！すごくキュンキュンして浄化しそうでした…これからも頑張ってください！！ (2019年8月12日 2時) (レス) id: 672f68fdf6 (このIDを非表示/違反報告)
真実(プロフ) - 如月さん» リクありがとうございます！ 勝己くん呼びしたいですねえ……！合点承知之助です！ (2019年8月12日 2時) (レス) id: 3c371268a1 (このIDを非表示/違反報告)
如月 - いつも楽しく見させてもらっています！リクエストで下の名前で呼んでみたをお願いします(*｀･ω･)ゞ (2019年8月11日 9時) (レス) id: 26dff16a4d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：真実 | 作成日時：2019年5月8日 0時
