同居人はＪ。 (ページ20)

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戸村ディレクターページ20

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Ｊが小声で…

「何でここにいんの？」

って、聞いてきた。

「収録だと思ったら、まさかのドラマの失恋ショコラティエだったから…」

なんて、私も小声で喋ってた。

そしたら…

「マジかよ…」

Ｊは唸ってた。

「Aとどういう関係なのよ…」

麻由が突然呟いた。

「え？」

「ちょっと、麻由‼
あ、気にしないで？ヘアーも服装もバッチリ♪
いってらっしゃい」

私はＪの背中を押した。

そのまま、Ｊは撮影に…

「ちょっとー、取材しようと思ったのに…ま、いいや～。今日、Aの家にお邪魔しよーかなー？」

「それは…ちょっ…と、今日は…ダメでしょ？」

「何それ？今でしょ？みたいな感じ」

「…っ、とにかくダメなものはダメなの」

「ふーん…」

ん？納得してくれたのかな？

「河野ー、ちょっといいかー？」

「あ、はーい」

麻由は同じ企画部担当の人に呼ばれ、仕事ムードになっていた。

オンとオフの切り替えが驚く程怖いの。

あーしてれば、麻由も普通なんだよねぇ。

「大橋‼」

「は、はい‼」

「何ボケーっとしてんだ‼
お前はここの監督か‼お前は俺の下っ端なんだから、周りを見て動け‼」

げ、こいつディレクターの中でも言葉遣い荒い戸村じゃん。

「わ、分かりましたよ」

ふん、動けばいいんでしょ？

「まったく、大橋財閥の令嬢かなんか知らんが芸能人よりも目立ってんじゃねーよ」

カチンッ

何こいつ、すっごいムカついてきた。

「お前、何なの？」