ひんな。 ページ4
目の前に並べられたものにホゥ…と溜息がこぼれ出る。
ちゃんとしたご飯なんて何時ぶりだろうか、あと酒も。
『いただきます』
手を合わせてから箸をつける。タコ飯を口に入れれば出来たての温かさと優しい味が身体に染み渡っていく。
うまい…。
オススメに箸をのばして頬張れば、コリコリとした食感と醤油の香ばしさが口内に広がった。
『……はぁ、やっとマトモなのが食べれたぁ』
ジョッキに入ったレモンサワーを一口飲んで息をつく。
うん、明日は例え携帯に電話が来ようとも絶対に出勤なんかしてやんねぇわ。
「ちゃんと喰わなきゃ、ぶっ倒れるぞ。アンタOLだろ？」
カウンター越しに厨房があるらしく、耳朶にピアスを開けた漢み溢れるイイ男性が話しかけてきた。
『確かにそうですけど、私が働いてる会社はバリバリのブラック企業なんで』
「へぇ、このご時世にまだそんな会社があるのか」
その人の言葉に『そうなんですよ〜』と返すと、「そんなアンタにはサービスな」と彼はテーブルにお椀を置いてくれた。
『……何ですか、コレ？』
「オハウだ」
聞き慣れない言葉に復唱していると横から「アイヌ語で汁物って意味なんですよ」と案内と注文を取ってくれた先程の店員さんが教えてくれた。
アイヌ語、ねぇ…
『あ、じゃあ店の名前も？』
「あぁ、そうだ。ヒンナは食べ物に感謝するって意味なんだ」
今度は厨房の兄さんが教えてくれる。へぇ、と相槌を打ちながらオハウを啜ると薄味ではあるが美味しかった。
『ヒンナヒンナ』
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仮眠さん(プロフ) - 鯉登のお話……むふふ。更新頑張ってください（心の中:うっひょぉぉぉ!!!!!! (2020年8月22日 10時) (
レス) id: 8995fa1edb (このIDを非表示/違反報告)
境 - すごくこのお話好きです。また更新お願いしても良いですか？頑張ってください！！ (2020年1月17日 21時) (レス) id: 7788c7aee9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ねこかみ | 作成日時：2018年12月4日 23時
