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「...お嬢様、帰りましょう。外で馬車がお待ちしております」
『そうね、そんな長居はしてられないものね。...そうだ、これを君らに渡しておくわ。貴方たちにオススメの訓練場を書いたメモみたいなものだけど、行きたい所があればこのメモを持って上官にいいに行ってみて。恐らく許可が降りる筈だから』
そう言うと彼女は彼にエスコートされながらこの訓練所を去ろうとしていた、いつかまた会えるだろうかそれとももう会えないだろうかそんな思いがぐちゃぐちゃになった俺は無意識に彼女の元まで駆け寄り手を取った。
彼女は驚いた反応こそしたけれど、笑って護衛に何かを伝えて俺に向き合ってくれた。でも、俺は何の考えもなしに彼女の腕を掴んだので何を言えばいいのかはわからなかったから思ったことを言った覚えがある。
「...あんな、俺夢があるねん。いつか俺を馬鹿にしたやつよりも強くなって自分が守りたいもんを全て守れるようになるって、その為ならどんな手段だって使ってやるって思ってた。...それでも友達1人守れなくてなんなら助けて貰った俺をアンタは笑うか？」
『...愚問ね。笑う理由が一つもないのに何故笑う必要があるのかが全く私には分からないけど？必死に努力している奴をバカにする資格なんて誰も持ってないし持つべきでもない。全ての努力が100%報われるなんて綺麗事を吐くつもりはないけどさ』
彼女は1歩前へ出て俺の手をとって両手で包んだ。何かを零れ落とさないように、そっと優しく壊れ物を扱うような手つきで。
『君は必死に努力してきたんでしょ、その努力は君自身がまず認めてやりなよ。その努力が全く1mmも認められないなんてことはないんだから。実際君はさ、友達にはせめて被害がいかないようにって努力してた結果、友達は勇気を出して君を助けた。お互いが努力し合った結果私はここへ来たの、それで貴族の私は君たちのことを気に入ったしね』
「...それでも、俺はこれでいいとは思えないんや」
『...全て納得のいく結果になんてなる訳ないんだよ、世の中って。でもね、君はここからまた変われるんだよ。夢っていうのは中々叶わないから面白いの。今日のことを忘れろなんて言わない、なんならこの悔しさをバネにのし上がっていけ。その夢に向かってただただ真っ直ぐにさ？』
「......」
『...困った時にはある程度なら私も助けてあげる、だからその夢忘れないでね？』
じゃあね、と彼女は俺の手をそっと離して外へ向かった。
続く (更新停止中)
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＠優斗（まさと）(プロフ) - 火羅さん» 👍👍👍 (2022年8月1日 13時) (
レス) id: e352abdd5b (このIDを非表示/違反報告)
火羅(プロフ) - ＠優斗（まさと）さん» コメントありがとうございます。そんな風言って頂けて嬉しいです！これからも頑張っていくのでよろしくお願いします！ (2022年8月1日 13時) (レス) id: 24e15c43ab (このIDを非表示/違反報告)
＠優斗（まさと）(プロフ) - コメ失礼します。ゲーム系転生によくある感じではなく、少し変わった視点から物語を書かれていてとても気分が上がりました！更新応援しています、マイペースに頑張ってください♪ (2022年7月30日 19時) (レス) @page26 id: e352abdd5b (このIDを非表示/違反報告)
火羅(プロフ) - 月さん» ありがとうございます！私好みの性格にしたので趣味が合いますね!!これからもよろしくお願いします! (2021年2月24日 19時) (レス) id: 24e15c43ab (このIDを非表示/違反報告)
月 - 夢主ちゃんの素が好きすぎる…更新楽しみにしてます！ (2021年2月23日 21時) (レス) id: 38881abff7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：火羅 | 作成日時：2020年9月27日 22時
