【最終兵器俺達】涙色の空の下で君と出逢った僕は。【ヒラ】 (ページ8)

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▼第八話△(あなたside) ページ8

自分の家の前につくと、カズトくんは何故か少しだけ寂しそうな顔をした。

「じゃあ、また明日」

『うん、わざわざ家まで送ってくれてありがとう』

「ううん。俺がしたかっただけだからいいの」

そこらへんの女子よりも可愛い笑顔を浮かべて、カズトくんは笑う。

『あ、のさ!!Line…交換しない??』

「いいの??するっ!!」

…なんだろう。この子可愛いすぎる…

母性本能が疼いたところで、カズトくんは途端にさっきの可愛い笑顔を消して真面目な顔をして

「なんか辛いこととか、聞いてほしいことあったらいつでも連絡して。絶対に反応するから」

と真剣な声で伝えてくれた。

ﾄﾞｸﾝｯ…と心臓がはねる音がした。

ずるい。どうして、そんな心が揺れてしまうようなことをするの。

違う。私が弱いから、縋れる人を探してるだけなんだ。

そう言い聞かせて、どうにか笑顔を作った。
部屋に入り、荷物を投げてからベットにダイブする。

『…もう、無理なのかな…』

ずっと、ずっと好きだった。

優くんから告白されたとき、心臓が飛び跳ねるほどに嬉しかった。

少し優越感だってあった。

でもそんな気持ちが今は辛くて、嫌で悲しくて。

どうしたらいい??

ユキちゃんのことが好きな優くんのために私ができることはただ一つ。

ケータイを手に取り、暫く考える。

意を決して、文章を打ち始める。

これで、すべてが終わってしまうけれど、彼のためにたくさんの可能性を与えてあげたい。

『さよなら、だね……そんなの、嫌だよ…っ』

弱虫は私は送信ボタンを押すことができず、布団に潜り込んだ。

そんな時、
ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ…
玄関の呼び鈴の音が聞こえた。

「Aーっ??いないのー??」

心地よい女の子にしては低めの声。

『るー…ちゃん…』

ダメだ、涙が止まらない。

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るーちゃん→瑠川羅央(るかわらお)
るたちゃんです。
ごめんねかってにだして。