【最終兵器俺達】涙色の空の下で君と出逢った僕は。【ヒラ】 (ページ21)

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▽第二十一話▲ ページ21

《おお！！残念ながらビリッケツはユキちゃんやけど、なんか幸せそうやから、クラスのみんな許してやるんやで！そして、この人に俺は話を聞きたい！ヒラくん！》

やめてくださいいいいいあああああ…来ないでくださいいああああああ…

なんて願いも虚しく。

「ぬおお。お手て繋いで仲良しやんか!!で？【好きな人】っちゅーおだいやったけど、恋愛的な好きな人っちゅー解釈で良きなんかな？」

レトさんの言葉にはっとする。
そうか、【好きな人】って指定されただけで、【友達としての好き】でも良かったんだ…

前髪をくしゃっと掴んで座り込む俺を、レトさんは楽しそうにのぞき込む。

その感じは当たりやな？とイタズラにいじり倒して来る。うざい。はっ倒したい。

「…そうです、涼宮さんは、俺の好きな人です」

マイク越しの小さな声に、会場中が沸く。
女子の黄色い歓声、男子の怒号、声援。

「それは、告白になるんですかねぇ？」

レトさんの意地悪な言葉に、グラウンドにいる人達からブーイングが入る。

あーもう。ほんとにこの人嫌だ。

「レトさん、マイク貸して」

レトさんは目を見開いてから、ニッコリと満面の笑みを浮かべると、どーぞ。とマイクを差し出して来た。

もうほんとに嫌だ。

でもここまで来たら、引き返せない。

ううん。引き返さない。

だから、このチャンスを絶対無駄になんかしない。
くっさいせりふだけど、この手を離したくない。

そんな思いを込めて、Aちゃんの手をギュッと握った。