▼第十四話△(あなたside) ページ14
それでもついてしまう既読。
そのメッセージに返信が来ることはなく、代わりにケータイの画面に現れた、彼からの着信。
『つ、つきちゃん、ちょっと電話してくる!!』
「はいはい、いてらー」
雑だなぁ…と苦笑いをこぼしながら隣の部屋にいき、電話に出る。
『もし、もし』
「…もしもし、フジ、です」
『うん、どうしたの?』
「…Line、見て、話したいなって思って」
"話したいなって"
それ、付き合ってる時に言って欲しかったよ。
私が何も知らない時に言われたかったよ。
「今、ユキの家でみんなで話そうと思ってて、それで俺の気持ちとか全部言うから、だから」
『…行かない』
「…え」
『私は、優くんがユキちゃんのこと好きなの、知ってるよ。だから、知ることなんて何も無い、だから、行かない』
私の精一杯の強がりは、声が震えていて強がりもバレてたと思うけど、優しい彼は気づかないふりをしたんだと思う。
「…今まで、ありがとうね」
『うん、でも、また遊ぼうね?』
未練がましい私の言葉に彼は笑って
「もちろん。だって、友達。でしょ?」
と言ってくれた。
『…あはは、そうだよね。ありがと。じゃあ、また学校でね。フジくん』
「うん。また」
ツーツー…と無機質な機械音に混じって、私の嗚咽が聞こえる。
大粒の涙がカーペットに大きなシミをつくる。
たった数時間前の空のような。
『…ゆう、くん…っ』
それくらいに、アナタが大好きでした。
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魎芭@真紅の稲妻(プロフ) - ヒラかわかっこいい! 更新楽しみにしてます!これからも頑張って下さい! (2015年8月7日 7時) (レス) id: 95f31c8c92 (このIDを非表示/違反報告)
メアリー - ヒラかわゆす…(//-//) (2015年8月2日 19時) (レス) id: 247ae801c7 (このIDを非表示/違反報告)
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