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12.望んだ再開 ページ13

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「オラさっさと連れて来い。」



いつものように拳銃を握り、袖を捲る。


今日のスクラップ候補は藤島Aという女らしい。

今から殺す奴に興味なんかクソほども無いが。


九井「女?珍しいな。」

鶴蝶「俺等の周りを嗅ぎまわってたらしい。バカな女だ。」

蘭「でも俺そういうバカな女の子可愛くて好きかな。」

竜胆「来たぞ。」


部下がその女を引きずりながら、俺の前へ連れてくる。

口には紐を巻き付けられていて、手足はガムテープで固定されている。


今までは裏切り者の野郎か商売人のジジイばっかだったから珍しいのか、梵天メンバー全員がその女に注目する。

部下は女の口の紐を外すと、部屋の外へ出て行った。




「…さて」




俺は俯いているその女の顎に拳銃を添え、自分の方を向かせた。




「……は」




俺を見上げた目の前の人物を見て、体が硬直する。

なんだ?何が起こってる?

なんで…




蘭「ほーら言ったろ?可愛いって。」

鶴蝶「灰谷黙ってろ。マイキー、どうする?」

マイキー「殺せ。」

蘭「マイキー、こんな女殺すだけのほうがもったいねーだろ?てことで殺す前に一発ヤッてい〜?」

マイキー「…好きにしろ」






『――…お、にい…ちゃん?』




何でお前が、こんな場所に居んだよ。

あの日のように傷だらけのアイツが、俺を見つめていた。

ドクドクと心臓が五月蠅く波打つ。目の前にいるコイツは、紛れもなく俺の脳内にこびり付いたアイツだ。


年末が近い真冬だというのに、額に汗が伝う。



蘭「三途、おい三途、聞いてんのかよ。その女ちょっと貸せよ。」



灰谷が女の腕を掴み、俺から引き離す。



「…ッやめろ!!コイツに触んな!」


考える前に、俺はそう叫んでいた。

13.俺が殺す→←11.梵天



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りお - とっても刺さる素敵な作品でした(;o;)春千夜にも夢主にもガンダーラで幸せになってもらいたいと思いましたT^T (2021年10月31日 1時) (レス) @page17 id: fffe7db0be (このIDを非表示/違反報告)
れいん(プロフ) - 寝る前に読んでみたら 一つ一つの言葉が凄く刺さって 涙出ました (2021年10月31日 0時) (レス) @page16 id: 817f921072 (このIDを非表示/違反報告)
Ibibubu(プロフ) - 本当に作者様の書いた作品が凄く好きで、素敵な作品をありがとうございます (2021年10月29日 23時) (レス) @page18 id: 9aefec9a34 (このIDを非表示/違反報告)
りぃ - すごいな、これ… (2021年10月29日 1時) (レス) @page18 id: 0e789b8f74 (このIDを非表示/違反報告)
不夜城・レイス(プロフ) - 一行一行が凄い感動しました(泣) これからも応援してます! (2021年10月28日 19時) (レス) @page12 id: 23f9dcf647 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2021年10月24日 21時

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