【番外編】もしも芥川の守護天使なら 2 ページ45
No視点
然し乍ら、危険度で言うのならば、彼の隣に居る者の方が高い。
彼女もまた、感情を持たぬ――――否、無いというよりは、一種類の感情が表に出過ぎている。
少年らに嬉しい事が有った時も、持ち前の話術でその場を盛り上げた。
口数は多くはないが、彼女は場を盛り上げ、空気を和ませるのが得意だった。
そして、常に笑顔で在った。その美貌とも相まって、殆どの者がその子を好いた。
それだけを聞けばただの明るい良い子である。しかし、だ。
彼らが大人に殴られ動けぬ時も。また、その大人の喉笛を持って居る大鎌で掻き切る時も。
彼女は笑みを崩さない。
常に笑う彼女は、『狂笑の子』と、芥川と共に名を馳せていた。
そして、彼女にも天賦された能力がある。
『炎と光を操る』―――それが、彼女に与えられた力。
曰く、これは能力の一部に過ぎず、人が持つ偽りの力ではないと。
異能でない――――神からの恩恵だと。異能と何がどう違うのか誰も知りはしないが。
彼女は基本的に芥川を護る。
大体皆等しく接すのだが、芥川の事を護る行動が目立つのだ。
これは、彼女の神からの使命である。そう彼女は何度も言った。
冷たい瞳で、乾いた心で、彼女は云った。
無口で、心なく、縄張りを荒らす者は容赦なく引き裂く芥川。
無口で、乾いた心で、笑いながらも、彼らの縄張りを荒らす者は容赦なく裁いた。
似ているようでそうではない。そんな彼らに付けられた名がある。『咆えぬ狂犬』と。
威嚇の咆え声も警戒の唸り声もなく、気付いた時には喉笛には噛みつかれている。
咆える狂犬と比べてなお質が悪い。そう忌避され、或いは畏怖されたが故の二つ名であった。
さりとて少年は少年。
満足な食事もとれず、寒さが染みる屋外での生活故に背が低く、痩せ肉の少年として育った。
もっとも、他の八人の仲間とて状況は大差ない。
それ故に九人の仲間は互いに身を寄せ合い、庇い合い生きてきた。
だが、その必要ももうなくなった。
芥川が駆けているのも、その八人の仲間たちの為であった。Aは完全に付き添いだが。
仲間たちが皆、殺されたのだ。
理由はこの前この貧民街に流れてきた、謂わば無法者の数人ほどの武装集団だ。
彼らは裏組織ポートマフィアとの従属の関係を結んでいる。
ポートマフィアと関係を持つ者に誰が手を出せようか。
そして、そんな彼らの母体たるポートマフィアの取引現場を見たが故に、彼らは殺された。
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鈴の音(プロフ) - 博識のうさぎさん» 私に文才はないし、黒歴史を見られたこの絶望感よ…… (2017年11月15日 22時) (
レス) id: 787e58ff6d (このIDを非表示/違反報告)
博識のうさぎ(プロフ) - 文才欲しい(*´∇｀*) 黒歴史ほとんど見たお (2017年11月15日 21時) (レス) id: f6f586254a (このIDを非表示/違反報告)
鈴音(プロフ) - 響さん» 返信遅くなってすみません！そうです、別ですね。分かりにくくてすみません…… (2017年8月3日 8時) (レス) id: 787e58ff6d (このIDを非表示/違反報告)
響 - 番外編と本編は 別々 ですよね？ (2017年8月2日 22時) (レス) id: 97b1ec965e (このIDを非表示/違反報告)
鈴音(プロフ) - 無銘@喘息さん» わかりました！番外編、書かせていただきます！コメント有難うございました！ (2017年6月21日 6時) (レス) id: 787e58ff6d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鈴音 | 作者ホームページ：
作成日時：2016年12月26日 18時
