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-眠いのって逆らえないよね- ページ6

三郎)あ〜、また負けた!!
A兄、手加減してくださいよ。


貴)手加減したら、負けるからやだ。
俺、負けたら、完全に兄の威厳を失うだろー?w


三郎とチェスを始めて、1時間もしないうちに5勝。


しかも三郎が意外にも強くて、ある程度本気出さないと勝てないくらい強かった。


マジか、結構舐めてかかってたらやばかったかもしれない。


でも、三郎はじっとチェスの行き先を追って、勉強していた。


「んん〜」とか時々唸る三郎は5年ぶりで、なんかいいこいいこしてしまった。


可愛いは正義、可愛いって神、可愛いは不滅、ありがとう←


三郎)そ、そんなに子ども扱いしないでください。
これでも、もう中3ですよ…。


照れてむぅ、と頬を膨らませる弟ってなんだと思う? そう可愛い。←他問自答


一郎)なぁ、兄ちゃん。
このラノベ読んでくれよ、後で良いから感想聞かせてくれ。


一郎は一郎で、可愛い女の子が表紙の小説を俺に渡した、一郎の趣味ってこんな感じのふわふわな女の子なのか、可愛いw


趣味の女の子、俺も昔はいた。


今はいないけどなw


三郎)もう1回だけやりましょう!
もう1回だけ!


貴)分かったよ、その後は自由にさせてくれよ?
本読んでみたいしw


三郎のお願いに弱い俺は、もう1回と言われながら3回もやってしまった。


まぁ、一郎は本を読んでいるので、何も文句は言われていないが、受け取っておいて読まないのも悪い気がしてきたので、三郎のお願いを断って、本を読み始めた。


貴)…。(ごし…)


読み始めて、しばらく経った頃、俺はとてつもない眠気に誘われてしまった。


ラノベ自体は何の変哲もない、学生日常コメディ。


一郎にしては、結構無難なものを選んだなと思っていたが、読むと言ったのにこんなに眠くなるなんて…。


貴)いちろー、俺ちょっと寝る…。


一郎は、ぼやける俺の視界の中で、ふわりと笑って。


一郎)お休み、兄ちゃん。
お疲れ様。


と言った。


俺はそれを皮切りに、何も覚えていない。


とめどなく落ちていく意識の中で、ふわふわと揺蕩うクラゲのように、懐かしい匂いに囲まれて意識を手放した。


#一郎side#


俺は、兄ちゃんが寝ると同時にため息をついた。


一郎)やっと寝た…。


あのまま、起こしたままだったらしばらく遊んだ後、兄はどこかへ出かけてしまうだろう。


だから、わざわざ日常コメディの眠くなるタイプの本を渡して、眠くなるように仕向けたのだ。


−*−*−*−*


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作者名:紫音 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/shionn/  
作成日時:2019年10月21日 1時

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