-だから、俺はもう女を好きになれない- ページ14
何故か? 俺は、最低だった。
自分の心が踏み荒らされた時に、まるでタガが外れたかのように相手の心を壊したのだ。
そして、俺はそれを楽しんでいた。
何十人対一、俺はその相手の精神を壊す事を楽しんでいた。
しかし、そんな俺が正気を取り戻したのは、1人の女の死だった。
俺が好きな、好きだった女性の死。
彼女は、俺の妻になる予定だった。
こんな俺を見限ってくれても良かったのに、優しくそばにいてくれた。
そして、微笑んでくれた。
俺はそれでよかった。
その為に日本に戻って、結婚しようと準備の最中、襲われた。
そして、俺は彼女を守る様に立ちふさがって、ラップで彼女を守っていた。
なのに、相手は銃火器を持っていて、彼女は撃たれて死んだ。
俺はその時ほど激昂して激しく歌った事はないだろう、気が付くと周りに敵が倒れていて、俺は笑っていた。
あの時の俺は、精神が壊れていたのだろう、敵の持っていた銃火器を拾って一人一人頭を打ちぬいた。
最後の1人…と思って、打ちぬく前に敵の指に指輪が光っているのが見えて、俺はすぐに彼女の元へ向かった。
彼女は即死だった、無駄に撃たれたところが悪かった。
俺はその時、マイクを捨てた。
こんな仕事をこんな物を持っていなければ、彼女は死ななかったかもしれない。
捨てたというのは間違いではないが、もっと酷い。
俺は自分のマイクを銃で撃って壊したのだ。
そして身を潜めて2年、心の傷も癒えてやっと追われる事もなくなったから、日本に帰って来た。
勿論襲撃も何度も受けたけど、俺は無事だった。
いやまぁ、銃創とか色々残ったりしたけど、マイクに耐性が付いてたのか、そもそも俺のマイクは俺自身の精神力を食らっていた上に、俺が激昂のラップを繰り出した事により俺の体がそれに耐えられるように変化したらしい。
余程のスキルがないと俺の精神に干渉できない…つまりマイクの効かない体になった俺は、逃げ続けたんだけど。
銃火器持ってる敵もいるし、もう死んだ事にしようと色々手を打って。
あの2年間、その前の彼女の死がなければ、俺は弟の所に顔を出そうなんて思わなかっただろう。
一郎)兄ちゃん?
二郎)どうかした?
三郎)二郎の馬鹿が何かしましたか?←
二郎)おい、こら三郎てめぇどういう意味だ!
貴)あー、もう喧嘩するな!
手が汚れてる兄で悪いが、彼女の為にも今は弟たちを可愛がりたい。
俺の大切な家族。
*
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作者名:紫音 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/shionn/
作成日時:2019年10月21日 1時