21話 ページ22
sideA
太陽がちょうど上になって日差しが強くなる昼下がり。
A『…』
風を浴びながらウトウトしてます。
空却｢……｣
水を打ったような静けさ。
ふと外から香る線香の匂い。
道行く人が花束を抱えて通り過ぎる。
A『…』
両手の人差し指と親指で額を作り、
A『晴天ですねー…』
青空を見上げます。
【明後日にお土産買ってくるね。楽しみにしててね。】
それが私に向けた最期の言葉。
A『……もうすぐですね。』
空却｢あ？｣
A『…命日が、です。』
空却は携帯を片手に私の隣に座ります。
澄み渡る蒼空を見つめる時間が終わります。
ガヤガヤと騒がしくなる部屋の前。
A『先生、終わったのでしょうか…』
空却｢…｣
後ろから無言で抱きしめられました…
空却｢あの時と同じ顔してる。｣
A『人の要らない所ばかり見る…』
困った人ですね。
side空却
事故から少し経つ頃に葬式があった。
泣きもしない凛とした顔で見送ったコイツに誰かが言った。
｢どんな神経してんだ。｣
拙僧は殴りそうになったのをコイツの兄貴が止めた。
Aは泣かなかった。
A『……亡くなったから泣かないとダメなんですか…』
細く弱くそう言った。
他の誰も見ていない場所で
A『泣いたところで…私の…両親は帰って来ないのに…』
拙僧の前で声を押し殺して震えて泣いた。
A『…どうしたらいいの…』
顔がぐしゃぐしゃなくらい泣いた。
事故を聞いてからAの心は傷ついて
遺体を見てからは急速に崩壊していた。
その心に追い討ちをかけるように浴びた親戚の言葉。
Aの心は修復する事無く時間だけが流れた。
空却｢…｣
かける言葉も見つからないまま。
Aはずっと人形のように感情を捨ててそこに居るだけ。
空却｢……拙僧はお前の傍に居る。｣
ずっと、お前がやりたいように生きれるように。
お前が苦しくても傍に居る。
お前は人の頼り方を知らない。
空却｢拙僧の声だけ聞け。他の奴らなんか後回しにしろ。｣
A『…なんなんですか。』
呆れたように笑った。
そんな顔すら懐かしいと思う程に、Aは笑っていなかった。
A『……良いですよ。貴方に付き合ってあげますよ。』
やっと感情が戻ってきたんだ。
拙僧が一生かけて傍で幸せにしてやる。
空却｢覚悟しろ。｣
A『急になんですか。』
また呆れたように笑った。
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*MorphoNear* - ペテン師さん，新年あけましておめでとうございます🌅新しい一年がやって来ますがペテン師さんの作品楽しみに読ませて頂いてます！！今年も無理せずに体には気を付けて下さいね。宜しくお願い申し上げます🙇 (1月3日 19時) (
レス) @page37 id: 09a4a3c559 (このIDを非表示/違反報告)
*MorphoNear* - ペテン師さん，こんにちは*MorphoNear*です！！大分空は⛄が降ってきて冷えきるそうですが体調管理に気を付けて下さいね( v^-゜)♪今年はクリスマスやら年末やらで大変なシーズンですがお互い頑張りましょうね！！ (12月17日 17時) (レス) @page41 id: 09a4a3c559 (このIDを非表示/違反報告)
*MorphoNear* - ペテン師さん，はじめまして*MorphoNear*と申します以後宜しくお願いいたしますm(__)m私も空却さん，大好きです！！アニメでも新鮮みがあって格好良い場面も満載で好きすぎる💕💕また,次回の内容も期待してます！！ (12月2日 17時) (レス) @page31 id: 09a4a3c559 (このIDを非表示/違反報告)
あすか - やばい可愛い。続き待っております！ (2021年8月4日 23時) (レス) id: 37cc6a2106 (このIDを非表示/違反報告)
花子 - 続きはまだでしょうか？！早く見たくてたまりません！ (2021年1月30日 11時) (レス) id: b933cddf37 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ペテン師 | 作成日時：2019年12月15日 5時
