【ヒプマイ】僧侶の世話役は何故か色んな人から好かれます。

28話 誕生日編2 ページ29

side空却

空却｢は？｣

言うだけ言って出て行った……

空却｢……A……｣

何でもいいから。

プレゼントは何でも良い。

素直に受け取れたら苦労しない。

空却｢A…｣

もう文句言わねぇから。

頼む…

拙僧の誕生日を祝ってくれ……

冷めたAは拙僧と目さえ合わせてくれやしない。

見ろ……

拙僧を見てくれ。

夕飯も食わずに出て行った。

空却｢……｣


こんな冷めた誕生日は初めてだ。

いつも祝ってくれた。

プレゼント用意して、一生懸命考えた料理出して…


空却｢……Aに祝われてぇ……｣

他はいい。


＼ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ／

A『はー……何してるんですか。』

空却｢……｣

抱きしめた。

空却｢…｣

拙僧を静かに抱き寄せて、

ドアを閉める。

空却｢……｣

A『……』

拙僧をじっと見つめて、

なんだよ……

そうぶっきらぼうに言いたくなるのをぐっと我慢する。

A『……』

ふわりと微笑んで拙僧を撫でる。


拙僧が踏み込んでより密着する。

ギシッとなる床。

Aが離れる。

ガシッと腕を掴むと

また困り顔で笑う。

A『何処にも行きませんよ。こちらにいらっしゃい。』

リビングに入る。

Aの家には毎日通ってる。

けど、部屋自体に入ったのは多くない。


あと6時間。

心から祝ってもらうにはどうしたらいい？


A『和尚様に叱られても知りませんからね。』

そう言ってケーキを出す。

A『それ食べたら帰ってくださいね。』

そう言って洗濯物を畳む。


畳んでる膝元に寝転がる。

A『猫みたいですね、貴方。』

空却｢…｣

A『私、明日はお休みです。』

今日という日だけは何がなんでも…

拙僧に何か寄越せ……

A『今日は一段と変な空却ですこと。』

prrrrr

ケータイが鳴る。

A『はい、もしもし。あ、和尚様……』

困った顔して拙僧を撫でる。

A『空却は…はい…』

拙僧を撫でる手を止める。

おい。

拙僧を撫でろ。

A『はい、わかりました。』

また撫で始めた。

ケータイ越しから罵声が聞こえる。

A『だ、大丈夫ですよ。そんな心配されずとも……』

……

押し倒す。

A『わあ！？』

首筋を噛んで吸う。

A『あ、あの空却？何して……』

拙僧よりもだいぶ小さく白い手を覆ってケータイを消す。

手首を拘束する。

空却｢拙僧の誕生日を忘れるテメーが悪いんだ。｣

くれなきゃ拙僧が奪ってやる。

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