猿芝居は程々に。…いや、アレ結構本気だったよ?……え? ページ38
「〜っ!ひ、土方さん!」
堪らず大きな声をあげてしまった
これで黙っていられる方がおかしいよ!
「なんだ嫌だったのか?
んじゃもう1回だな」
土方さんがまた顔を近づけてくる
あれ、待って、これおでこじゃない!
私は目を瞑った
「おい土方テメェ…俺のいねェ隙に何Aに勝手に手ェ出してんだ
ぶった斬りやすぜェ…」
え…この声は……
私は声のした方を見た
そ、総悟…さん……?
どうしてここに…
「Aの土方に怒鳴る声が聞こえて来てみればいってェどういうシチュエーションでさァ」
総悟さんは私の方ではなく土方さんの方を見据えていた
目…合わせてくれないのかな……
また気持ちが重くなってきた
「それはAが教えてくれるさ
…ただ、テメェがそのままそこに突っ立ってんなら、Aはこのまま俺と1日中一緒に過ごす事になるけどな
ナニをするかはまぁ、お前の想像に任せるよ」
「ちょっ、土方さん、そんなの聞いてな…」
「うるせぇ、大人しくしてろって何回言やぁ分かんだ
大人しくできねぇ悪ぃ子にゃぁこうするしか…ねぇなぁ?」
私を片腕だけで抱き直し、手を顎に添えて土方さんの方を向かせられた
するとそのまま顔が近づいてきて…
「ゃ……」
目を瞑る事しかできなかった
瞬間、フワッと体が浮かぶ感覚がした
「死ねクソ方
テメェばっかりいい思いさせてたまるか
あとでぶっ殺しに行ってやるから待ってろィ」
え……
……一瞬だった
私はいつの間にか総悟さんの腕の中だった
「ケッ…やればできんじゃねぇかよ
もうさっきみてぇにA泣かすんじゃねぇぞ」
土方さんはそう言うと、背を向けてヒラヒラと右手を振りながら去って行った
「うっせェ死ね!」
総悟さんがそう投げかける後ろ姿と一緒に、私と一緒だと吸うことのないタバコの煙が見えた
そこからしばらく沈黙が続いた
何か言わないとと気持ちが焦る中、総悟さんが口を開いた
「……悪かった」
「……え?」
えぇええぇええ!!
あ、あの総悟さんが、あ、謝ったあぁああぁあ?!
「ッテメ今なんか失礼な事考えてたろィ…」
私はブンブン首と手を振って誤魔化そうとした
「俺を誤魔化そうったってそうはいかねェぜィ?」
エスパーか!!
「プッ!
おめェ本当に表情豊かになったなァ!
全部顔に出てやすぜィ?
…だが俺より先にそれを土方に見せて……
…ちょいと仕置きが…必要だねィ?」
総悟さんの怒りが消えた代わりに、ドSスイッチが入っちゃいました
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作者名:*kuro* | 作成日時:2019年6月9日 23時