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二度あることは三度ある…かもね? ページ34

ただいま総悟さんのお部屋にいます

「結構腫れてンじゃねェかィ

こりゃァ2、3日安静だねィ」



……ぇ…

心配させないようにしようって決めたばっかりなのに…


こんなんじゃダメだ…!

「…だ、大丈夫ですよこれ位!」

私は立ち上がってみせようと側の机に手を付き、うんと力を込めた


「A」


瞬間、総悟さんのいつもより低い声が響き、それに驚いた私は付いた手が滑ってまた体勢を崩した

ドサッ

今度は体に硬い感触

少し動かしただけなのに足がズキズキと脈打つ

痛いと口から零れそうになる言葉を何とか飲みこんでまた咄嗟に閉じた目をゆっくり開ける

そこに見えた景色は……


「何してんだA…

酷くなったらどうするつもりだ」


真剣な顔をした総悟さんが私の上に馬乗りになっていた

顔の横で手を掴まれ固定されたため逃げようにも逃げられない

総悟さんの目が少し怒気を含んでいるように見える


「…っ…そん…な…私はただ…」


総悟さんのいつもと違う雰囲気に圧倒され上手く言葉が出てこない

さっきまでの総悟さんはどこにいったの…?


「ただ、なんだ」


怖い…

別人みたいだ…

いつもの総悟さんがいい…

飄々としてて、無気力で軽いあの総悟さんがいい…


顔を赤くされても、その顔を見られても、意地悪なこと言われても振り回されても………

さっきの総悟さんがいい


「ウッ…ごめ…なさ……」


痛みで緩んでいた涙腺から涙が本格的に零れてきた

謝る事しかできなかった

元の総悟さんに戻ってもらう方法がこれしか思い浮かばなかった





「総悟の部屋からAの声が聞こえたと思って入ってみりゃあ……なに泣かしてやがんだ総悟…

やりすぎじゃねぇのか?」





土方さんだった

この場の雰囲気には似合わない、土方さんにしては珍しい間延びした声、そして態度だった

今日はらしくないものばかり見る気がする

でも、少し安心する自分もいた

「チッ…」

総悟さんは土方さんの声に顔を顰めると私の上から退きそのまま部屋の外へ出て行った

怒らせちゃったな……

「…で? 何があったんだ…

あんな総悟、任務中以外にゃなかなか見れねぇぜ?

…いや、仕事中いつも昼寝ぶっこいてんなアイツァ」

泣いてる私を慰めようとしてくれているのか、明るく接してくれる

「グスッ……あのですね、さっき____」

私は起き上がって涙を拭い、隣に腰掛けた土方さんに総悟さんが助けてくれた所から話した


気づけば雨の音が、少し弱まっていた

相手の立場で考えてみよう→←人との距離感は適切にしないと血液の流れ方が偏ります



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作者名:*kuro* | 作成日時:2019年6月9日 23時

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