さあ訪れた平和な朝!……ん?へい…わ? ページ14
「ん……ん?」
伸びをしようとするのだが全く体が動かない。うん、非常事態だ。
が、原因はすぐに分かった。
「2人とも…!」
そう、昨日は、まあ何ともない事は決してなかったが、今は左右から手も足もガッチリホールドされている。
そういえば、なんか苦しくて目が覚めたような…
とりあえず2人には申し訳ないが起きてもらうしかない。こっちが死ぬ。
「2人とも起きて下さーい!総悟さーん!土方さーん!朝ですよ〜!」
自分の体をどうにか直立姿勢のまま揺らしながら古典的なワードと共に起こそうと試みた。
きっと傍からみれば気持ち悪い画になっている事だろう。
すると、思いが伝わったのか、ん…と声が聞こえた。
「おはようございます2人とも。さあ、早くのいて下さい。私の体のために。」
「あー…フワア…はよーさん」
「おはよーごぜーやす…ムニャ」
朝の挨拶を交わし土方がAから退く。
よし、あとは総悟さんだけだ。早く退いて!
が、総悟はAの望んでいた事とは全く逆の行動をとった。
「よっしゃ、土方さっさと仕事行きやがれィ!俺は宣言通りの二度寝だぜィ。あァ幸せ〜」
Aをまた抱き枕のようにして寝ようとした。
……冗談じゃない。
「チッ…そのままAに嫌われろ。明日扱いてやるからな」
待って行かないで!総悟さんには悪いけど今扱いて!
「総悟さん!寝ないで!起きて!総悟さんは非番だろうけど私は仕事あるの!ねえ!」
そう言いながら総悟の手をほどこうと試みる。
が、さすが1番隊隊長。なかなか外れない。
「いいじゃねェかンなもんサボっちまえば。俺と一緒なら怖くないぜィ」
そういう問題じゃない!
仕方ない。ここは一旦寝てもらって、力が緩んだ所を抜け出そう。
「あーもう分かりましたよ。好きなだけ寝て下さい!怒られたら総悟さんのせいですからね!私何も悪くないですからね!」
「ハイハイ分かってやすよ。だが、俺ァ1度手に入れた獲物は寝ても離さねェから寝たところを抜け出そうなんて考えても無駄だぜィ、A?」
バレてたぁ!どこまで察しがいいんだこの人は…
全身の力が抜けていくのを感じる。
「ニヤッ…そーそー、それでいいんですぜェ。人間たまには休みも必要なんでさァ。なァ、このまんま俺ともう1回寝ちまいやしょう?」
お仕事2日目。この人の言うたまにというのは、1日おきのことを言うらしい。じゃあ明後日もこの調子なのか…
慣れてしまえば大丈夫というが、慣れるまでの道のりが全然大丈夫じゃない。→←今夜はパーリーナイト!のはずが、どうせ寝落ちするのがオチ。
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作者名:*kuro* | 作成日時:2019年6月9日 23時