屯所 ページ2
青年「どういうことでさァ。」
青年はそう尋ねるが、少女はもう何も言わずに俯いてしまった。
青年「俺は、沖田総悟って言いまさァ。とりあえず、一緒に来なせェ。」
そう言って、少女の手を引き歩き出した。
なぜこの少女の事が気になったのか総悟自身分からなかった。
そして、少女も、なぜそのままついて行ったのか分からなかった。
。
少女が連れてこられたのは、真選組屯所だった。
すると、総悟は、適当に隊士を呼び、少女を風呂へ連れていくように言った。
隊士は、何故こんな所に女の子がいるのか動揺していたが、総悟のお願いなので、素直に連れていった。
その姿を見送ると、総悟は、廊下を進み出した。
そして、ある部屋の前で止まった。すると、雑にその戸を開け、中に入った。
そこには、タバコを吸いながら、大量の書類と睨めっこする黒髪の男がいた。
総悟「土方さん、話があるンでさァ。」
土方「おい総悟。ノックくらいしろっていつも言ってるだろ。」
が、総悟は、当たり前とでも言うように、土方の苦情を完全スルーして話を切り出した。
総悟「今日、見回り中に、道端に女の子見つけたんでさァ。蹲ってたから声をかけたら、『また、捨てられた。』って言ったんで、ほっとけなくて連れてきちまいやした。土方コノヤローさんはどう思いますかィ?」
土方「誰が土方コノヤローだ。
まぁ、まだ話も聞けてないからなんとも言えねえが……それで、ソイツとは一緒じゃねえのか?」
総悟「あァ、今風呂に入ってもらってまさァ。上がったら、近藤さんも交えて話しやしょうぜ。」
土方「そうだな。近藤さんには、俺から話があることを伝えておく。」
総悟「分かりやした。」
そう言って、そのまま部屋を後にしたのだった。
。
(そういえば、今日の総悟は大人しかったな…バズーカーも持たずに……まあ、それが普通なんだけどな。)
土方にそんなことを思われていたということを総悟は知らない。
無自覚であった。
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作者名:*kuro* | 作成日時:2019年6月9日 23時