ヘンゼルとグレーテルみたいにパンを目印にしてはいけません。 ページ31
「死ねェェェェェェー!!!」
総悟が叫んで、上から落ちてくる男を刺そうとした。その時だった。男が急に、
男「……ふむ。そろそろ頃合か。」
そう言って、軽々と身を翻し総悟の刀をまたかわした。
さすがの総悟も驚く。
男が言った。
男「…俺についてこい。Aに会わせてやる。」
近藤「なんだと?それなら、なんのためにお前はここで俺たちと戦った?」
男はニヤリと気持ちの悪い笑みを浮かべて言った。
「言っただろう?お前達の知らないAを楽しみにしておけ、と。今がいい頃合なんだ。
初めの男とは違って、ボロボロの状態から、俺の姿を生きたままここまで見ることができていたのはお前達が初めてだ。まあ、楽しませてくれたお返し、というわけだ。気に入ってくれるといいんだがな。」
そう言って男は進み出した。
総悟「近藤さん……」
近藤「あぁ……ついて行くしかないだろう。だが、お前達2人はどうするんだ。そんな体の万事屋を無理に動かすのは危険だぞ……。」
新八「……っ、ぎ、銀さんはこの位じゃ死にません!銀さんは必ず目を覚まして、あの男を倒します!銀さん初めに言いましたもん、絶対にそれを破る事はありません!
必ず、あとで三人で行きます。
それまで……
それまで、Aさんを守ってください。お願いします……。」
そう言って頭を下げた。
近藤「あぁ。俺達もその約束は破らねぇよ。
……必ず来い。それまで、あの男は斬らないでおいてやるよ。本当はとっとと始末したくて仕方ないけどな……。」
自嘲気味な笑みを浮かべながら近藤は言った。分かってしまっていたのだ。今の真選組の状態で、あの男に勝つのは至難の業だと。
その後は何も言うことはなく、真選組は、男の後を追って行った。
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全隊士から滴り出た、赤い無数の目印を通路に残しながら_________________。
目は口ほどに物を言う。→←袋のネズミはみんながみんな追い詰められているわけではない。
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作者名:*kuro* | 作成日時:2019年6月9日 23時