鏡を見ていると左右がだんだんわからなくなってくる。 ページ28
真っ暗な闇の中にいる。『いる』ということは、『自分』という意識はあるということになる。
ゆっくり下を見てみる。自身の身体があった。
横を見てみる。永遠と続く闇が見えた。
上を見ても同じだった。
最後に後ろを見てみる。1人の人間がいた。
驚いて後ろに下がると、その人も後ろへと同じように下がった。
暗くてよく見えなかったが、どうやら鏡らしい。
少し近づいてみると、当たり前だが中の人も近づいてきた。
見つめてみる。普通に自分がいた。無表情でこっちを見ている。
が、写っているのは自分だけではなかった。
それは、Aが初めて見るモノではなかった。
イト_______________。
そう、それは、イトだった。あの時と全く同じ色形をして、全く同じにAの周りを漂っていた。
ハッとして、もっとよく覗き込もうと顔を近づける。
すると、やはり当たり前だが中の人も同じように近づいてきた。が、少し違う。
急にAの肩を掴んできたのだ。
Aは、驚いて固まってしまう。
そのとき鏡のAが言った。
『ねえA。あなたはあっちに戻れない。戻っちゃいけない。分かってるでしょ、そんなこと。
君なんてここで死んじゃえばいいんだよ……
私が殺してあげようか……
ねえ、○○○_______________。』
終わり良ければ全て良し。→←舌打ちをすると寿命が縮まるという話があるが、多分先に舌の方が早く縮まる。
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作者名:*kuro* | 作成日時:2019年6月9日 23時