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このままじゃ引けないから ページ19

銀時「へえ〜〜〜……そんな顔するんだ〜。」

Aの、キラキラした表情を見ながら、銀時は聞こえないようにボソッと言った。


(そんな顔されたら、銀さん、狙っちゃうよ?)


新八「なにニヤニヤしてんですか、銀さん。久々に食べれて嬉しいのはわかりますけど、気持ち悪いですよ、やめてください。」

(本当はAさんのことなんだろうけど。)


神楽「そうネ、銀ちゃん。キモいアル。ニヤニヤしてる暇があったら食べないと、私が全部食べちゃうネ。」

(銀ちゃん、絶対Aに惚れてるネ。)


いつも一緒にいる2人は、銀時の気持ちにすぐに気づいた。しかし、総悟はというと、ライバルが増えたことに気づいていない。

総悟「さァ、きやしたよ。A、先に食べなせェ。」

A「う、うん!いただきます!」

パンケーキを前にしたAのテンションは、最高潮のようだ。
フォークとナイフを上手に使ってパンケーキをひと口サイズに切った。フォークとナイフの使い方には、なぜか慣れているようだった。

切ったパンケーキを口へと運ぶ。

A「〜〜〜〜〜っっっっ!!!!!」

Aが、初めての美味しさに、身悶えした。あまりの衝撃に声も出ていない。


全ーA(((なんだこの可愛い生物は。)))


Aが身悶えする姿に身悶えしそうになる一行。

総悟「そ、そんなに美味かったのかァ?よかったなァ。どれ、俺もひと口食いてェ。」

頬の紅潮したAから、フォークとナイフを受け取ると、総悟も食べた。


お気づきになった方もいるだろうが、いわゆる間接キスである。
もちろんAは気づかない。
そのために総悟が2人で1つを頼んだことにも。


うん、普通にパンケーキだなァ。

しかし……


(これであんなになるって、今までなに食ってたんだ?)


疑問に思う。

総悟「うん、うめェ。あたァ、Aが全部食べなせェ。俺はもういいでさァ。」

A「え、い、いいの……?」

確かめるように、上目遣いで聞いてくる。
それはずるい。

さっきから、Aに揺るがされてばかりだ。
そのまま引くことはできない。

Aは、幸せそうに残りのパンケーキを頬張っている。そして、あっという間に完食してしまった。
そのとき、総悟が動いた。


「A。動かねェでくだせェよ。……ここ、付いてまさァ。」


そう言って、Aの口元に手を伸ばし、付いていたのを取って自身の口へと持っていった。



総悟「ペロッ……うん、さっきよりうめェ。」

嫌なことほど忘れにくい。→←青春は楽しんでなんぼ。



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作者名:*kuro* | 作成日時:2019年6月9日 23時

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