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あのね31 ページ33

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しばらくして泣き止んだ私。



「ほんと、ご迷惑をおかけしました」

「気にすんな。というか、そんなことより……」



ちょっと失礼、と私の着ていた色気もクソもないジャージ(長袖)を腕まくりするように、上に上げた。



「え、ちょっ……」



突然の行動に焦って腕を隠そうとするけど、独歩先輩に手首を掴まれて叶わない


焦る私に対して、独歩先輩は悲しそうな表情を見せた。



「やっぱり……」



眉根を寄せてみているもの、それが包丁で切り付けられたあのときの傷跡だと分かった。


どうして、バレたんだろう。私は学校ではもちろん白いカーディガンを着ていたし、この家でも学校指定の長袖ジャージをきていた。独歩先輩にこの傷跡を見せた隙はないはず


ぼんやり考えていると、そっと独歩先輩と視線が交わった



「これも、お母さんが?」

「まぁ、はい」



あのシーンを見られたんじゃ言い訳しても無駄だろうと正直に答えると、彼はますます悲しそうに傷を眺めた


………どうして、そんな顔をするの


この傷だって、母との関係だって、冷たくいえば独歩先輩には全く関係がないことだ。なのに、なんでこの人は私の痛みが分かるような顔をするんだろう。どうして、一緒に悲しんでくれるんだろう



「どうして、この傷のことを?」



先輩は再び私の頭に手を置いて、あの安心する手つきで私の頭を撫でる



「雨に濡れてたとき、ちょっと透けてたから」



なんだ、答えならもうとっくに出てるじゃん。


独歩先輩が、とっても優しいからだ






___って、ちょっと待て。聞き捨てならないことが聞こえた



「透け、てた……?」

「うん、雨に濡れて服がちょっと………って、あ」



はっと、独歩先輩があることに気付く。私は、自分の顔が耳まで真っ赤になるのを感じながらさっと自分の胸の前で腕を組む


その「しまった」って顔、絶対そうだろ



「………へんたい」

「ちょっちが、っ決して水色の下着が見えてた訳ではなくだな………」

「や、やっぱり、見たんじゃないですか!!独歩先輩のえっち!!」

「えっ………っ不可抗力だろ!」







なんだかんだ言って、私にお母さんのことを思いださせないようにしてくれた先輩


その日、なかなか寝付けずにいると、独歩先輩が私が眠るまで手を握ってくれた。やっぱり、不思議と先輩の手は安心するみたいで、次の日までぐっすりだった

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設定タグ:ヒプノシスマイク , 観音坂独歩 , ヒプマイ   
作品ジャンル:恋愛
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ゆの@ヒプマイ - amroさん» 応援のお言葉ほんと嬉しいです!拙いながらも小説の世界に読者さんを引きずり込めたみたいでよかった……。最後まで読んでくださり、ありがとうございました! (2019年1月13日 14時) (レス) id: 6eb8088052 (このIDを非表示/違反報告)
ゆの@ヒプマイ - 新田(仮)さん» うわぁ〜!もったいないお言葉ありがとうございます!!私も書いていて美味しかった……笑笑。最後まで読んでくださり、ありがとうございました! (2019年1月13日 14時) (レス) id: 6eb8088052 (このIDを非表示/違反報告)
ゆの@ヒプマイ - めぐみんさん» 終わり方自信なかったので、そんな風に言っていただけて光栄の極みです!最後まで読んでくださりありがとうございましたm(_ _)m (2019年1月13日 14時) (レス) id: 6eb8088052 (このIDを非表示/違反報告)
amro(プロフ) - 初めまして、コメント失礼致します。小説最後まで読みました。独歩と主ちゃんの関係が最高で中々素直になれない2人を無意識に応援しながら読んでました。これからも応援しています。 (2019年1月13日 11時) (レス) id: 18748080be (このIDを非表示/違反報告)
新田(仮) - んんんんんん()ラストめちゃよかったです…… 夢主たそのお母さんとの関係とか、夢主たそとどっぽっぽの不器用なかんじとか……めちゃ美味しかったですありがとうございました() お疲れ様でしたァァァァッッ(´ω`*) (2019年1月13日 8時) (レス) id: c6b51169dc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆの@ヒプマイ | 作成日時:2018年12月8日 13時

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