日常その28 ページ32
『ヘックシ!』
「どういう思考回路したらあの雨の中堂々帰ってくんねん。」
『ウグゥ…痛っ!もう少し優しく扱わんかい!』
ベチンッ!と強く冷えピタを貼られた私は盧笙を睨みながら叫ぶ。
「そんだけ元気なら心配あらへんな。バカは風邪ひかんから。」
『ひっっっっど。』
ピピピッ
体温計が鳴る。脇から取り出すと
"38.6"と書かれていた。
「高っ!?何処からその大声出てくんねん。」
『こっちが聞きたいわ』
安静にするよう言われてしまったのでムスッとしながらベッドに横になる。と、座っていた時よりも楽になって、自分の身体が実は悲鳴をあげていた事がよぉくわかった。
『ケホッ、ケホッ、移ってまうよ?行かへんの?』
ずっと部屋から出ない盧笙に聞くと彼は少し目を逸らした。
「心配…やから……」
なんやこいつツンデレか。
煽るようにニヤニヤすると何故かキレられた。納得できん!なんで怒られなあかんねん!
『ん…なんや…寝てた…?』
起きると夜やった。盧笙も居らず、重い体を起き上がらせると少し頭がクラっとする。
「起きたか。ご飯食べれるか?」
ボーッとしていると盧笙画やって来た。手にはお粥があって、どうやらご飯を作ってくれたようだ。
『うん。食べれそう。』
「ん。」
『え?なに?彼氏?』
スプーンでお粥をすくって私の口元に寄せてきたので驚く。なんや私たち付き合っとんのか?
「ちゃうわ。いいから食え。」
『うい。』
黙ってお粥を食べる。うん。美味しい。特に何も言わず完食すると盧笙は「ゆっくり休みや。」と言って部屋を出た。
『ぜってぇキュンッなんてしてやらんからな!』
※By フラグ回収の神
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作者名:黒綺 | 作成日時:2022年11月3日 23時