【忍たま】星の瞬く間に間に

八筋 ページ10

ぱちり


目を開けたら、障子の外はすっかり青く染まっていて、上の方は黄色かった


体を起こすと、少し気持ち悪かったが、吐くまでには至らない


「外…」


新鮮な空気を吸いたかった


布団から出て障子戸を開けると、綺麗な青が目の前いっぱいに広がっていた


虫の小さな音色も聞こえる


月は満月であった


「あら、起きたの」


右隣から聞こえてきたのは、山本さんの声


見れば本人がこちらに向かって歩いて来る


私を見るなり、体調は大丈夫かと尋ねてきた


「はい、とても、綺麗でしたので…」


つい、と小さく笑うと、廊下の屋根からガタタ、と何かが動く音がした


不思議に思って山本さんを見ると、にっこり笑っていた


「きっとネズミよ。それよりあなた、笑っていた方が可愛いわ」


私は頬を真っ赤にした


美人な人に可愛いと言われれば、それは恥ずかしくもなる


「そうだ。お風呂が空いてるのだけれど、一緒に入らない？」


お風呂


確かに、言われてみれば体がベタベタと汗をかいていて、気持ちが悪い


肯定の意を示すため、首を縦に振った


「じゃあお風呂の準備をして来るわ」


部屋の中で待っててと言うなり、山本さんは廊下を歩いて行った


山本さんに言われた通り、部屋の中に戻る





扉を開けた時、先程まで見ていた木が揺れた気がした



風か


そう思って、扉を閉めた

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