十一筋(潮江) ページ13
「まだ寝たままか」
午後の授業も終え、俺たちは医務室の上で監視をしていた
俺たちと言っても、仙蔵と、廊下の屋根にいる留三郎くらいだが
「ああ、熟睡状態だな」
吐きやすい体質なのだろうか
空の桶が枕元に置かれている
「馬鹿者。あれは行為を思い出す度にくる、重度の嫌悪と恐怖からだろう」
まったく、これだから文次郎は
と、軽く嫌味を言う仙蔵をキッと睨んだ
確かに俺にはあまりデリケートな話は通じないが、小平太や留三郎程ではない
「おい誰が無神経だ」
「なんだ聞こえていたのか」
「お前が矢羽を飛ばしてくるからだろうが」
「お前らうるさいぞ。静かにしろ」
屋根裏で繰り広げられる矢羽の嵐
外もすっかり日が落ち、月が見える
ふと
「起きたぞ」
仙蔵の声に、視線を下に向けると、女が上半身を起こしていた
しばらくその状態のまま止まっていた
そして、何を思ったのかふらふらと立ち上がり、覚束ない足取りで障子戸を開けたのだ
そのまま廊下の方へ出て行ってしまう
「これは、あとで留三郎に聞くしかないな」
暇になってしまった仙蔵は胡座をかきはじめた
「見た感じ4尺7、8寸、足音からして九貫といったところか」
「軽いな。すぐに吐いて戻すのだろう」
暇を持て余し、女の身体を調査していると、廊下の屋根裏からガタリと物音が聞こえた
「留三郎？あいつ、何音たててやがる」
行ってみよう、と仙蔵の後を追って、外に出た
そこには顔を蒸気させている留三郎が正座して座っていた
「お前、何をしているんだ」
留三郎はハッとして俺たちの方を見ると、いや、と切なげに言った
「なんだお前、いきなりセンチメンタルになるな。気色悪い」
===
4尺8寸…145.5cm
九貫…33.8kg
物が食べられない故、しょうがないです
あまり健康的な体型ではありません
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椎タケ(プロフ) - 私自身は活動を控えていますが気になる題名だったのでついきてしまいました。凄く感動しました。汚い景色を美しい描写で書けるなんてすごいです。これからも応援させていただきます！更新頑張ってください！ (2016年7月31日 20時) (
レス) id: 81eb060e03 (このIDを非表示/違反報告)
カノさいこう！！！！(プロフ) - ここに書いて悪いのですが改造人間ロギイの小説って終わらせちゃいましたか…?私ロギイ大好きなんですが続きがとても見たくて…(>< ご迷惑お掛けしてすみません (2016年7月4日 1時) (レス) id: 04e014305e (このIDを非表示/違反報告)
黎夜(プロフ) - どうも！日替わりぶりです（笑）私忍たま大好きなので、このような話が好きです！これからも再新頑張って下さい！そして友達の短編集ではないですが、日替わりができました！是非見てやって下さい（笑） (2015年1月7日 23時) (レス) id: 2b2d44e74b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かわしき | 作成日時：2014年11月22日 15時
