アリガトウとサヨナラ

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｢…A｣



｢…ごめん勝手な事言っちゃったね｣



｢…｣



｢その時に太ちゃんの気持ちがあればでいいの｣



｢…｣



｢太ちゃんを縛ったりはしたくないし、
そんな権利も私にはないから｣




｢俺、ずっと待ってるよ｣



｢…｣



｢正直今、手出しそうになったくらい結構気持ち抑えんのギリギリだけど、俺 Aがいつか幸せに隣で笑ってくれる日をずっと待ってる｣




｢…太ちゃん｣



｢だから焦んなくていいよ｣



｢…ありがとう｣



｢よし、じゃあ ホラーやめてこの映画みよう｣









そう言って取り出したのは


ホラーとは真逆のコメディ映画






その後変に気まづくなることもなく


映画見ながら二人で爆笑して


結構遅くなっちゃったから


太ちゃんに家まで送ってもらった









帰ってすぐお風呂に浸かりながら


今日のことを思い出す







私、結構大胆なこと言っちゃったんじゃない？！


冷静になって考えてみると


割と自分の行動に驚く







なんで私急に抱きついちゃったんだろう









でも胸が苦しくなって


どうしようもなくなった


目の前にいる太ちゃんの切ない表情に


私がこんな顔させちゃってるんだって


思ったらその気持ちに応えたくなって…






いや、その場だけの気持ちじゃない


ここ最近、よく太ちゃんの事考えてたのは事実だし


会えない日は


会いたいって思ってたのも確か









いつの間にか


宏光より太ちゃんのことばかり考えてて…









それなのに、


どうしてもまだ


ふとした時に思い出してしまう宏光の温もりを









そんな私は、たらしなのかな…


最低だな…









でもいつかきっと


伝えるから









太ちゃんのことだけを考えて


太ちゃんだけが好きだよって









太ちゃんに待っててくれてありがとうって


心から伝えたい

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