27時間目 ページ29
気づいたら
知らない天井が見えて。
いつもより、数倍思い体を
なんとか、起き上がらせる。
隣には先生が頭を伏せていて
何故か、私の手を握っていた。
どこか、懐かしくて
嫌な夢を見た気がする。
頭を押さえながら
思い出そうとするけれど
一部分しか浮かんでこなかった。
棺の中に居る
一生、目を開けることのない
父と母の顔。
「…起きた?」
不意に、声が聞こえて
先生の方を向くと
ぱっちり、と開いた目を細めて
柔らかく微笑んでいた。
そんな先生に
はい、と返事をして
さっきから、疑問に思っていたことを
投げてみた。
「なんで…手を握ってるんですか?」
なんだか、落ち着かなくて
先生を捉えていた目線を下げる。
起きても尚、繋がれている手は
とても、温かかった。
「ハスミが苦しそうに、泣いてたからだよ」
先生は、そう答えてから
私の額に自分の額を合わせて
もう熱ないね、と笑った。
その行動と笑顔に
少し、鼓動が早くなる。
泣いてたんだ。私。
あの時、あんなに泣いたのに
まだ、涙は残っていたのか。
うつ向いたまま、黙っていると
今度は先生が、
私に問う。
「何か、あったの?」
その声は
私の中に、自然にできていた
分厚くて、脆い壁を
壊してくれた気がした。
________
次のお話、ものすごく重いです。(多分)
苦手な方は、さらっと見る感じで。
79人がお気に入り
「オリジナル」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
透空(プロフ) - ミクさん» 本当ですか!?嬉しいです! (2020年7月15日 0時) (レス) id: 0ba7269771 (このIDを非表示/違反報告)
透空(プロフ) - 雪華さん» ありがとうございます!頑張ります!! (2020年7月15日 0時) (レス) id: 0ba7269771 (このIDを非表示/違反報告)
ミク(プロフ) - キュン死する (2020年5月23日 15時) (レス) id: 1e828f9e08 (このIDを非表示/違反報告)
雪華 - 読んでてすっごいキュンキュンしました!更新頑張って下さい! (2020年4月28日 13時) (レス) id: c2d0832e50 (このIDを非表示/違反報告)
透空(プロフ) - カルリさん» ありがとうございますっ。もっと素敵になれるよう頑張ります!笑 (2020年4月2日 14時) (レス) id: eb1312b7ac (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ