高校最後の。【地縛少年花子くん】

25時間目 ページ27

柚木先生 side





別に、嫌な予感がしたとか

そういうのじゃない。

ただ、気分転換に

歩いて帰ることにしたんだ。




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もう、日は落ちかかっていて

雨のせいか

少し、どんよりとした空気が流れている。


人気がなくて、

静かな道を歩いていると

遠くに誰かが倒れていて。



そこに近づかなくても

一目で誰か分かった。



「ハ…スミ？」



何かを考えるよりも先に

足が動いていた。


駆け寄って、大声で名前を呼ぶ。



「ハスミっ…ハスミっ！」



それでも、反応はなくて

ハスミの顔に

そっと、耳を近づける。



「良かった…息してる…」



苦しそうな顔で

浅く、速い呼吸をしているけど

少し、ほっとした。


身体が熱いし、熱だろうか。


そう思い、抱きかかえて


自分の家へと、急いで向かった。

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